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「がんと闘わない」選択は死を意味する!抗がん剤を受けない患者は治療法を自ら選択せよ

文=中村祐輔/シカゴ大学医学部内科・外科教授兼個別化医療センター副センター長
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new_cancer0321.jpgがん患者の半数が治癒可能!?(depositphotos.com)

 ジョー・バイデン前米副大統領が久々に公の前でスピーチをして、「私はがんを克服する大統領になりたかった」とコメントをした。そこで気になるのが、がんの治癒を目指す「ムーンショット計画」の行方だ。

 計画に携わっている人によると、ドナルド・トランプ米大統領も計画の内容自体には肯定的だそうだ。バラク・オバマ前大統領の施策を、オセロゲームのように次々と裏返しにしているが、がん克服計画は生き延びそうだ。ただし、「ムーンショット」という名称がそのまま残るかどうかは疑問視されている。

キーワードは「がん検診」「プレシジョン医療」「標準医療を超えた医療」

 私も、今週・来週の講演会では「がんの治癒を目指す」ことをテーマに話をする。今は、がんと診断されても約半数が10年間生存=治癒を期待できる。この50%を70%にすることは、それほど難くはないと考えている。

 国の政策をひと捻りすれば、実現可能な数値だ。あえて、国の施策といったのは、研究者が個々の研究に精を出しているレベルではなく、国家として取り組まなければ、この数字の達成は難しいからだ。

 キーワードは、がん検診・プレシジョン医療・標準医療を超えた医療への取り組みだ。

 今回紹介したいのは、標準医療をどう乗り越えるかだ。抗PD-1抗体(ニボルマブ=日本ではオプジーボと呼ばれることが多い)は腎臓がんでも承認されたが、分子標的治療薬が効かなくなった、あるいは、副作用で治療継続が難しくなった患者さんに対してだけしか投与できない仕組みになっている。

 臨床試験も、多くの場合、標準的な治療が尽きた患者さんしか登録することができない。自分の意思で抗がん剤治療・分子標的治療を拒否した患者さんは、臨床試験を受けることもできず、自費診療で治療を受ける道しか残されていない。公的機関では、標準治療を拒否すると、その病院での診療を継続することも難しくなる。

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