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ゴーン日産社長、年総額18億円の報酬に批判強まる…さらに三菱自からも巨額報酬か

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ゴーン日産社長の巨額報酬

 一方、自動車メーカーの今春闘の賃上げの回答で最も注目されたのが、日産自動車の動向だ。日産は昨年の賃上げ交渉で、従業員のモチベーションアップなどを理由にベアを月額3000円の満額回答を実施したが、今春闘では前年の半額となる1500円で決着した。

 日産が今回、満額回答を見送ったのは、今期の業績が減収減益の見通しなためだ。また、日産はメキシコに米国市場向け工場があり、メキシコから米国へ自動車の輸出を批判しているトランプ米政権の経済政策が不透明なことも理由のひとつとみられている。さらに「カルロス・ゴーン氏の日産の社長兼最高経営責任者(CEO)の退任が影響している」(経済ジャーナリスト)と指摘する声もある。

 ゴーン氏は4月1日付けで、日産の社長兼CEOを退任して代表権を持つ会長に就任する予定。そのゴーン氏の日産の役員報酬は年間10億円を超える。世界トップクラスの自動車メーカーであるトヨタの豊田章男社長の報酬が3億5000万円で、これと比べても高額。

 しかし、ゴーン氏は「世界トップクラスの人材を確保するためには、競争力のある報酬が必要」と説明するものの、社内外から批判の声は絶えない。ゴーン氏はフランス・ルノーからも8億円を超える報酬を得ている。昨年4月の株主総会では、ルノーの大株主であるフランス政府が高額な役員報酬を批判、株主総会で54%の株主がゴーン氏の報酬について議案に反対し、業績連動部分の2割を削減した。

 日産が昨年の春闘で満額回答するなど、業界他社を上回る水準としているのは、ゴーン氏が「ひとりだけ高額報酬を得ているとの批判を和らげることを狙いにしている」との意見がある。

 日産は昨年10月、三菱自動車工業と資本提携した。そして昨年12月に開催した三菱自の臨時株主総会で、ゴーン氏は三菱自の会長に就任すると同時に、三菱自の役員報酬総額の上限を、それまでの3倍となる30億円に引き上げる議案を提出、了承された。今後、ゴーン氏は、社長兼CEOから退任するのに伴って「日産の役員報酬を減額する一方で、今度は三菱自から高額な役員報酬を得る考えでは」(業界筋)とみられている。日産での自身の高額な報酬に対する批判を抑えることが可能となると判断、今春闘では業界他社と足並みを揃えるかたちでの現実的な賃上げ路線に切り替えた模様だ。

ホンダも高水準の賃上げ

 このほか、米国や中国などの新車販売が伸びて今期の世界販売台数が過去最高となる見通しのホンダのベアは、前年実績を500円上回る1600円で決着、自動車業界ではトヨタ、日産を上回った。ホンダは前期、欠陥エアバッグによるタカタのリコールなどの関連費用を計上した影響で業績が大幅に悪化した。今期は一転して業績が好調に推移していることから従業員に還元する。

 ホンダの八郷隆弘社長もトップに就任してから今年6月で3年目に入り、経営に独自のカラーを打ち出そうと躍起になっている。従業員の支持を得るためにも、高い水準の賃上げに踏み切ったとみられる。
(文=河村靖史/ジャーナリスト)

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