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ジャーナリズム

ツタヤ図書館、利用者にTポイント付与&会員情報をCCCへ送信が発覚…市議会に波紋

文=日向咲嗣/ジャーナリスト、協力=山岸純/弁護士法人ALG&Associates執行役員・弁護士
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 次に、この議会答弁から半年後の15年9月、CCCが高梁市に提出した「高梁市 新図書館指定管理 提案書」をみてみると、「図書館の貸出履歴をビジネスに利用しません」として、一般向けのTカードのように、その人の趣味趣向がわかる個人情報を利用することはないと説明をしている。

CCCが取得する情報

 では、Tカードを図書利用カードとして提示したときに、どんな情報が送信されるのだろうか。その点をまとめたのが下の図である。


 これを見ると、「TカードおよびID紐付登録の有効性を取得する目的においてのみ、CCCの子会社であるTポイントジャパンが保有するポイントシテムに認証します」となっている。

 具体的には、「Tカード番号」「利用登録の有無」「利用日時」の3つの情報だけ会員の個人情報を保有しているCCCシステムに送信される流れが図解されている。

 要するに、提示したカードが有効かどうかを確認するためだけに、図書館利用者のデータを外部に送信して認証するというわけだ。

 では、新図書館オープン後には、どうなっているのか。

 CCCが自社サイトで公表している「Tカードでの高梁市立図書館利用に関する規約」をみると、個人情報の扱いが微妙に変わっている。

 提案書の「ID紐付登録の有効性を取得する目的において」が、規約では「『Tポイント付与と、T会員自らがTポイント付与に伴うサービス利用状況を把握する目的で』」となっているのが第一の変更点。

 つまり、提案書で「このカードが有効かどうか確かめるためだけに、CCCにデータを送る」としていたが、実際には「Tポイントを管理するために、CCCにデータ送る」となっているのだ。

 さらに注目すべきは、CCCサイドに提供される情報が、当初は「Tカード番号」「利用登録の有無」「利用日時」の3つだったが、目的が変わったことで「ポイント数」も付け加えられている点だ。


 ちなみに「ID紐付登録」とは、CCCがT会員に割り当てるTカード番号と図書館IDとを紐づける登録のこと。これがなければ、Tポイントを付与できない。逆にいえば、両者が関連付けられていれば、どちらか片方からもう一方を照会することも容易にできる。

 これにより、高梁市図書館内で扱われるTカード番号は、個人が特定されない匿名の情報ではなく、ほかの情報と照合することで個人を特定できる「個人情報」となるのだ。

 このようなことから、一部であっても利用者の情報を図書館の外部に送信することは不適切ではないかと、武雄市でTカードが導入されたときには、多くの専門家たちが指摘して激しい議論繰り広げられた。