NEW

グーグル、日本の国益を侵害…書籍全文を勝手に検索して「ネット公開」、著作権侵害容認する法改正

文=明石昇二郎/ジャーナリスト

 グーグルでは、米国の大学図書館にある「蔵書」を片っ端からデジタルスキャンしていた。そのなかには、現在も書店で販売中のものも多数含まれていた。そして本稿の筆者が書いた本もまた、彼らに無断でデジタルスキャンされたうえ、一部をネット上で公開されていたのだった。

 この事件の全容と詳細は拙著『グーグルに異議あり!』(集英社新書)で報告しているのでそちらに譲ることにするが、同書は、事件の発生を知った筆者が、突如降りかかってきた“災厄”にどう立ち向かったのか――を報告したルポルタージュ(現場報告)である。原稿の大半は「週刊プレイボーイ」(集英社)誌上でほぼ半年にわたり、事件の進行と同時進行で不定期連載した『グーグルの「正体」を暴く!』を通じて発表したものだ。

 他人の著作権を確信犯的に侵害し、我が物にしようとしたグーグルの挑発に対し、日本の出版社や新聞社は有効な反撃を何もできずに喘いでいた。なかには、早々とグーグルの“軍門に降る”決断をする会社もあったほどである。
 
 そんななか、グーグルに対し毅然として真っ向勝負を挑み、徹底抗戦したのが「プレイボーイ」だった。実際、旗幟を鮮明にして闘った日本のマスメディアは、ここをおいてほかにない。

黒船に乗った“海賊”

 筆者は、何も「書籍のデジタル化」や「書籍のネット配信」に反対しているわけではない。読者には、これまでどおり紙の本で読みたいと思う人もいれば、ネットでアクセスした本をパソコン画面や携帯電話で読みたいと思う人もいるからだ。お好きな体裁で読んでいただければそれでいいと思っている。読んでいただきたいのは本の「中身」であり「内容」だからだ。「パソコンで読みたい」という読者のニーズにこたえる努力を怠れば、その分だけ読者を減らしかねないのだから、反対する道理もあるまい。

 問題なのは、「黒船」に乗っていたのが“海賊”だったことだ。筆者もまた、「グーグルブック検索和解」裁判の原告のひとりだった。頼みもしないのに勝手に原告とされた。そんな筆者から見た「グーグル書籍無断全文デジタル化問題」とは、インターネットとデジタル技術を悪用し、著作権条約などを身勝手に解釈しながら世界中の著作権者にケンカを仕掛けた「海賊版事件」にほかならない。