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トランプ米国経済、バブル崩壊→世界経済混乱の予兆…最悪のシナリオ現実味

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 当面、FRBは金融政策のスタンスに変化はないとの姿勢を維持する可能性がある。そのなかで米国の景気回復が続くと、結果的に、米国の金融政策は物価上昇に遅行し始めるだろう。そうなったときに注意が必要なのは、米国の株式市場の動向だ。米国株式市場はリーマンショック後の安値から3倍以上も上昇した。経験則に照らせば、米国の株式市場はバブルの絶頂期に差し掛かっている可能性がある。景気の回復に比べて利上げが慎重に進むとの見方が増えると、株式のバブルがさらに膨らみ、ゆくゆく、景気が不安定化するおそれもある。

ドルの為替レートの展開予想

 
 今後の世界経済を考えた際、重要なのは早いタイミングで米国政府がインフラ投資や減税を進めることができるかだ。経済政策の具体的な内容が判明すれば、FRBは今よりも積極的に金融を引き締めるだろう。それは、米国株式のバブルを抑えるためにも必要だ。反対に、引き締めが後手に回りバブルが膨張してしまうと、その崩壊に伴い世界経済にはかなりの下押し圧力がかかる。今すぐではないにせよ、そうしたリスクシナリオが現実のものとなる可能性は排除できない。

 一般的に、インフラ投資の効果は1年程度は続く可能性がある。リーマンショック後に中国が進めた4兆元(当時の邦貨換算額で60兆円程度)の景気刺激策は、09年4~6月期からGDPを押し上げ、10年1~3月期までGDP成長率は回復した。その後、中国経済の成長率は右肩下がりだ。中国に比べ、米国のインフラ投資は一巡している。大きな効果を、長期の視点で見込むのは難しい。

 そうなると、減税の重要性は増す。減税は企業のフリーキャッシュフローを増やす。それが設備投資に回れば、景気回復に持続力を持たすことはできるだろう。そのためにも米国は各国と経済連携を強化し、企業が海外進出を進め収益を獲得できる環境を整備すべきだ。

 トランプ氏は、グローバル化への反感を抱く有権者への支持を取り込んで大統領に当選した。閣僚には行き過ぎた保護主義を修正し、グローバル化重視の政策を目指す者もいるが、実際にそうした考えが政策に反映されるのは難しいだろう。そのため、トランプ政権下の米国経済が、息の長い回復局面に入るとは考えづらい。

 この見方が正しいとすれば、徐々にドルの上値は抑えられるはずだ。1月半ば以降のドル円の為替レートは、おおむね112円~115円台半ばのレンジを形成してきた。同時に、為替レートの変化率(ボラティリティー)も低下している。今後、株式市場の下落などこれまでの期待先行で上昇した資産価格の調整が進んだ場合には、ボラティリティーの上昇を伴ったドル売りが進み、為替レートのレンジが切り下がる可能性がある。足許、トランプ大統領への支持率も低下しているだけに、ドル買いは進みづらいだろう。
(文=真壁昭夫/信州大学経法学部教授)

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