芸能・エンタメニュース
大中小を問わず企業で問題化する長時間労働、増え続ける仕事、一向に上がらない給料……と日本のサラリーマンが置かれた状況はどんどん厳しく殺伐としたものとなっている。多くのサラリーマンにとって、今年2月から導入された「プレミアムフライデー」など「なにそれ?」というのが本音だろう。
そんななかで、世のサラリーマンたちのささやかな“癒やし”となっているマンガが『サラリーマン山崎シゲル』(ポニーキャニオン)である。『サラリーマン山崎シゲル 第3巻』(田中光/ポニーキャニオン)
お笑い芸人である田中氏が、なぜマンガを描くのか。そして、なぜサラリーマンが題材で山崎シゲルとは誰なのか? 著者の田中氏に話を聞いた。
なぜお笑い芸人がサラリーマンのマンガを執筆?
――山崎シゲルは、いったい何者なんですか? モデルはいるのでしょうか?
田中光氏(以下、田中) 実は、山崎シゲルにはモデルがいなくて、僕が思いついた変なことをコイツにさせているだけなんです。いわば、何も書かれていない大喜利のフリップと同じ。空っぽです。

――「大喜利と同じ」ということは、マンガを描くときも、マンガ家としてではなく、お笑いのネタづくりに近い感覚で描いているということですね。
田中 そうですね。やっぱり、10年以上も漫才やコントをやってきたので、そういう部分がマンガづくりに生かされていると思います。たとえば、『山崎シゲル』は大喜利的なマンガですが、今「週刊ビッグコミックスピリッツ」(小学館)で連載している『私たち結婚しました』(同)という作品はストーリーがあるので、コントに似ています。『山崎シゲル』の場合は「1枚の絵に、いかにしてネタを収めるか」という点を意識していますね。


――あえて、お笑いとの違いを挙げるとすれば?
田中 自分がおもしろいと思っていることは、お笑いのネタもマンガも変わらないんですけど、漫才では、お客さんに同じ映像をイメージしてもらうことに難しさを感じることが多かったんです。状況説明を少なくして「なんとなくおもしろい空間でしょ?」というネタは、お笑いの世界では笑ってもらえないことが多い。実際、「何がおもしろいのかわかりませんでした」という感想をたくさんもらいました。その点、マンガなら言葉で表現できない部分も視覚で伝えることができる。これは、発見でしたね。
『サラリーマン山崎シゲル 第3巻』 お笑い芸人・タナカダファミリアこと田中光が2013年よりTwitterやブログで発表、とある会社の、とあるサラリーマン「山崎シゲル」が「部長」相手に繰り広げる異常な日常をシュールな一コマで描き、常軌を逸した奇行の数々を繰り広げるサラリーマン山崎シゲルと、どこまでも心が広い部長とのやりとりに大人気となった脱力系1コママンガ。 ネットを中心に人気が爆発、数々のアーティストやタレントもファンを公言し、数々のコラボが実現したことでも話題に。

『私たち結婚しました』 結婚って、踊り出すほど楽しい! 幸せな新婚家庭を築いているマチコとスグル。二人の平凡な日常を過剰に楽しむ姿は、新しい幸せの形、かも。結婚している方も、してない方も。結婚したい方も、そうでない方も。全ての男女に読んで欲しい、新婚さん仲良しギャグ!
