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岡田正彦「歪められた現代医療のエビデンス:正しい健康法はこれだ!」

売上トップの糖尿病薬、かえって死亡率増が発覚…政府が隠蔽工作、危険性指摘した職員辞職

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 辞職後のインタビューで、「これまでFDAは、ただ検査値が良くなるだけで新薬を許可してきた。しかし本当に大切なのは、人々が元気になり長生きをすることでは?」と述べ、一躍、時の人になっています。

 その論文の審査を依頼された研究者が、掲載まで秘密にすべき原稿の内容を当の製薬企業にファックスしていたなどのスキャンダルも続々と暴露されました。欧州ではただちに販売中止、また米国内では厳格な使用制限がつけられることになりました。

新薬発売の陰


 代わって売り上げを伸ばしたのが、武田薬品工業が製造販売しているアクトスでした。しかし、この薬もまもなくトラブルに見舞われます。米国でこの薬を飲んだ人が膀胱がんとなり、薬のせいだとして訴訟を起こしたのです。これをきっかけに多数の裁判が起こされ、14年には米国ルイジアナ州裁判所の陪審が「製薬企業が情報を隠ぺいしていた」と断じ、1兆円もの懲罰的賠償金を課すとの判断を下すにいたりました。

 15年に和解が成立し、武田は訴訟費用も含めて3,241億円を用意したと発表しています。ニューヨークタイムズ紙は、この薬の売上が米国内だけでも3兆円に近かったと報じていました。

 現在、糖尿病治療薬のベストセラーとなっているのが、09年に国内で発売開始となったジャヌビアなどのDPP-4阻害薬で、最近の国内医薬品ランキング50位以内に4種類の製品が入っています。

「血糖値を下げすぎない」ことがセールスポイントでしたが、つい最近、多数の追跡調査を総合評価したという論文が発表され、「この系統の薬を服用すると心臓病が悪化し入院を余儀なくされる割合がむしろ増える」という驚きの結果が判明しました。

 それにもかかわらず、この新薬はいまだベストセラーとなっています。それはなぜなのか。この薬に限らず、新薬発売の陰には業界のあの手この手の暗躍があります。次号以降、スキャンダルと犯罪の数々を紹介していくことにします。
(文=岡田正彦/新潟大学名誉教授)

参考文献:Li L, et al., BMJ 352:i610,2016.

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