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勝手に書籍全文スキャン&ネット検索OKへ法改正…グーグルの意向優先、反発する作家らを無視

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 新しい検索サービスを始めることによってグーグルなどが得る利益は、著作権者に還元されるのか、という問題もある。本の売上が下がる一方で、検索業者からは何も著作権者に還元されず、それこそ「グーグル丸儲け」になる恐れはないのか。

 結果的に検索業者の一人勝ちとなり、作家やジャーナリストが割の合わない職業になって淘汰されれば、新しい著作物が生まれなくなる。こうした事態に陥ることは、検索業者にとっても決していいことではないはずだ。

 差別や名誉棄損等の問題により絶版になっている本が、全文デジタルスキャンによって蘇り、再拡散してしまう懸念もある。一度、ネット上で広まってしまえば、取り返しがつかない。今回の法改正が、それを助長することにはならないか。そしてもしそうなった場合、誰がその責任を負うのか。

 さらにいうと、現在は著作権者とネットがうまく折り合いをつけ、ネットサイトで無料公開した連載記事が評判になれば、それを単行本化するというビジネスも成立している。そんななか、時代遅れの感さえある「書籍全文検索サービス」を始めることに、どれほどの意味があるというのか。

「グーグルブックス」のパクリ


 今回の法改正で想定されている「書籍検索」のスキーム(事業の枠組み、企み)は、文化庁や著作権法改正を検討してきた同庁WTのオリジナルではなく、物議を醸したグーグルブックスの完全なパクリである。そしてこの事実は、今回の著作権法改正案はグーグルによるロビー活動の“成果”なのではないか――との疑念を生じさせる。しかし文化庁はこの疑念に対し、なんの説明もしていない。

 こうした疑念が生じてしまうのも、世界中を巻き込んだ著作権侵害事件だったグーグルブック検索和解事件の総括を、文化庁や日本政府がしていないからなのである。にもかかわらず、いきなりグーグルの意に沿うかたちで法改正をするのだといわれても、とてもにわかには受け入れがたい。文化庁や日本政府とグーグルの間で、この間、いったい何があったのか。
        
 ともあれ、これらの疑問や疑念を晴らすには、著作権法を所管する文化庁に直接聞いてみるほかあるまい。筆者は3月22日、ジャーナリストのまさのあつこ氏、日本ペンクラブの山田健太氏(専修大学教授)らとともに、文化庁との「著作権法改正案勉強会」に臨むことにした。
(文=明石昇二郎/ジャーナリスト)

※続く

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