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石原結實「医療の常識を疑え!病気にならないための生き方」

片足で20秒立てない…脳梗塞の兆候を見逃すな!下半身の衰えは重病や寿命短縮の危険

文=石原結實/イシハラクリニック院長、医学博士
片足で20秒立てない…脳梗塞の兆候を見逃すな!下半身の衰えは重病や寿命短縮の危険の画像1「Thinkstock」より

 脳細胞に栄養を送っている脳動脈に血栓が詰まったり、動脈が破綻して出血したりすると、そこより先への血流が途絶え脳細胞に栄養や酸素が送られなくなるので脳細胞が壊死を起こし、運動中枢や言認中枢の機能が廃絶して以下の症状が発現する病態が、「脳梗塞」や「脳出血」である。

(1)腕や下肢にマヒ、シビレが生じ、「立てない」「歩けない」「ふらつく」などの症状が起こるが、特徴はほとんど片側性(片方のみ)に出現する

(2)呂律が回らない、片方の口角からヨダレが出てくる、片方の口角が下がる、片方の額のシワが寄せられない

(3)言葉が出てこない、相手の言っていることの意味がわからない

(4)片方の目が見えない、視野が半分になっている

 上記の症状がひとつでもあったら、迷わずにすぐ救急車を呼ぶべきだ。脳梗塞の場合、発病後2~3時間以内なら血栓溶解療法が可能となる。脳出血の場合も早いに越したことはない。

脳梗塞の後遺症

 さて、脳梗塞の患者の40%は発症前の健常時と同じくらいまで回復し、残りの60%は後遺症が残ったり、死亡したりするとされている。後遺症が残る人の内訳は以下のとおり。

・社会生活が困難な人=約23%
・何とか自立できる程度の後遺症が残る人=約20%
・死亡する人=約17%

 脳梗塞が起きる前に、T.I.A(Transient Ischemic Attack=一過性脳虚血発作)が発現していることが少なくない。

 脳動脈に詰まった血栓が数秒~数十分の間に押し出されて、一時的に発現した脳梗塞の症状が消失する状態をいう。患者は「気のせい」などと見過ごすことも少なくないが、T.I.Aの発作後、3カ月以内に20%の人が脳梗塞を発症する。そのうち半数はT.I.Aを起こしてから、数日以内に、脳梗塞を起こす。

脳梗塞を起こすリスクを予測

「脳梗塞」を起こすリスクを予測する方法=「ABCD」スコアを次に紹介する。以下の当てはまる項目の合計点数が「3~4点以上」の人は、本格的な脳梗塞になるリスクが高い。

1.年齢が60歳以上:1点
2.血圧が140/90以上:1点
3.体の片側が麻痺:2点
4.麻痺なしの歩行障害:1点
5.症状持続時間が60分以上:2点、それ未満:1点
6.糖尿病あり:1点

石原結實/イシハラクリニック院長、医学博士

石原結實/イシハラクリニック院長、医学博士

1948年長崎市生まれ。長崎大学医学部を卒業後、血液内科を専攻。「白血球の働きと食物・運動の関係」について研究し、同大学大学院博士課程修了。スイスの自然療法病院B・ベンナー・クリニックや、モスクワの断食療法病院でガンをはじめとする種々の病気、自然療法を勉強。コーカサス地方(ジョージア共和国)の長寿村にも長寿食の研究に5回赴く。現在は東京で漢方薬処方をするクリニックを開く傍ら、伊豆で健康増進を目的とする保養所、ヒポクラティック・サナトリウムを運営。著書はベストセラーとなった『生姜力』(主婦と生活社)、『「食べない」健康法』(PHP文庫)、『「体を温める」と病気は必ず治る』(三笠書房)、石原慎太郎氏との共著『老いを生きる自信』(PHP文庫)、『コロナは恐くない 怖いのはあなたの「血の汚れ」だ』など、330冊以上にのぼる。著書は韓国、中国、台湾、アメリカ、ロシア、ドイツ、フランス、タイなど世界各国で合計100冊以上翻訳出版されている。1995~2008年まで、日本テレビ系「おもいッきりテレビ」へのレギュラー出演など、テレビ、ラジオ、講演などでも活躍中。先祖は代々、鉄砲伝来で有名な種子島藩の御殿医。

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