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山田修「間違いだらけのビジネス戦略」

ニコン、東芝の二の舞いの兆候…復活の富士フイルムと真逆、主力カメラも瀕死寸前

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 ニコンではこれらの事業を、製品事業部制をとって運営している。そのなかで、設計という特定の機能部門だけを集約するというのは、組織体制的には不自然なことなのだ。今回の変更は、大不調である半導体露光装置の開発費を見えにくくしようとする意図であるようにみえる。

 というのは、半導体露光装置はオランダのASML社が現在9割の世界シェアを握り、ニコンのそれは1割にも満たない。

 もしこの分野への開発投資が恐ろしく減り、それが外部からも見通せるような組織構造になっていれば、ニコンの半導体装置事業は終焉したと顧客や市場からみなされるだろう。それを見えにくくする効果が、設計部門の他部門との集約にはあるのだ。

牛田社長は三振した

 現社長の牛田一雄氏は、ニコンの半導体露光装置を開発、一時は世界のトップシェアを握るまでにした技術功労者だ。だから、経営戦略のことはわからない人なのではないか。ASML社の方式はEUV(極端紫外線)露光というものだが、牛田社長はそれとは異なるArF(フッ化アルゴン)液浸露光という同社の既存技術の延長で勝負を選んだ。

「今ある技術に狙いを定め、主力部隊を一点に集中して戦う戦略を選んだ。半導体の微細化で、今視野に入る一番先端までは、ArF液浸で達成できる自信がある。判断にブレはなかった」(「プレジデント」<プレジデント社/2014年9月1日号>より)

 牛田社長は3年前に語っているが、その結果が今の状況だ。

 16年11月に同社は、中期経営計画の「破棄」を発表した。ところが、それを制定したのが15年5月だというのだから、わずか1年半で尻尾を巻いたといわれても仕方がないだろう。牛田社長は14年6月から現職にあるから、経営者として完全に責任を問われることになる。この「破棄」と同時に希望退職者の募集に踏み切ったところ、1000人の募集に対し想定を超える1143人が応募した。難破船から鼠が逃げ出すような状況だ。

 17年3月期の業績についても、すでに3回も修正を発表している。3回とも下方修正である。自社のオペレーションもしっかり把握していない。牛田社長のこれらの「実績」は、野球の打者でいえば「3ストライクでバッターアウト」ということではないだろうか。

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