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嘘だらけの「ウナギ絶滅」説…中国産でもニホンウナギ、日本人悪玉論はデマ、謎の生態

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 日本国内のウナギの流通量は、2000年は約15万tあったにもかかわらず15年には約5万tと、3分の1にまでマーケットが縮小してしまっているわけですが、これはつまり中国産ウナギの輸入が激減したことも要因となっているわけです」(同)

 中国産ウナギと聞いて食べるのを敬遠している方も少なくないだろうが、実は我々が以前から食していたウナギの多くは中国産だったのもかもしれない。

完全養殖成功でウナギ問題解決とならないワケ


 ところでニホンウナギといえば、日本の研究機関によって、10年に10ℓの小型水槽で世界初の完全養殖に成功し、その後、13年には1000ℓの大型水槽による完全養殖にも成功したとニュースになっていたが、それでもなぜ絶滅危惧種指定を受けてしまったのだろうか。

「まず、完全養殖と養殖は違うのですが、ウナギにおいての養殖として一般的にいわれているのは、天然で棲息している稚魚を獲り、養殖池で成魚へと育てていくというもの。そして、完全養殖はその名の通り稚魚から成魚になるまで育てるものなのです。

 1000ℓの大型水槽でニホンウナギの完全養殖に成功と聞くと、もう絶滅の心配もなければ、現在のような価格高騰もなくなると期待してしまうかもしれませんが、話はそう簡単ではありません。

 まず、完全養殖に成功といっても、まだ年間で最高でも約1500匹の養殖が実現したという程度で、稚魚に与えるエサに特殊なものが必要となるなどの問題点が解消されておらず、まだまだ商業化に向けての問題が多い。今は年間1万匹の完全養殖に成功させるといったプロジェクト目標があり、20年には商業化までこぎつけるというプランがありますが、それでも当然、日本全体の流通量が劇的に増えるような見込みはまだまだ立っていません」(同)

 ちなみに、国内で養殖されたウナギは国産ウナギとなるわけだが、国産と外国産の違いがいまいち不明瞭という方も多いだろう。

「国産、外国産というのはJAS法によって定義されており、簡単にいえば、養殖された期間がどの国が一番長いかが基準となります。例えば、海外で100日間育てられたウナギでも、その後日本で101日育ててから出荷すれば『国産ウナギ』となります」(同)

 ウナギそのものの生態やウナギを取り巻く事情を知らない、もしくは勘違いしていたこともあったのではないだろうか。

 しかし、いずれにしてもニホンウナギがIUCNの「絶滅危惧IB類」としてレッドリストとなっていることは事実。ウナギの食文化を守るためには一般消費者である我々一人ひとりも、ウナギが想像以上に危機的状況であることなどをきちんと把握する必要があるのかもしれない。
(文=昌谷大介、森井隆二郎/A4studio)

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