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韓国、慰安婦問題合意を破棄か…自ら日韓関係悪化させ経済破綻危機の兆候

文=真壁昭夫/法政大学大学院教授
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 今、韓国にとって必要なのは対日関係の改善だ。日本にとっても北朝鮮の核開発などは脅威だ。韓国が対日関係を改善できれば、自国の立場を国際社会に訴え、賛同を取り付けやすくなるだろう。中長期的な社会の安定にはそうした視点が欠かせない。

 しかし、韓国の現状はよくわからない。今のところ、大統領候補者の主張に共通するのは、反日姿勢、財閥解体による政財界の癒着排除などだ。経済が低迷するなか、本気で財閥を解体できるかは未知数だ。北朝鮮との融和を訴える候補の支持率も高い。韓国の政治は中長期的な国力の増強よりも、目先の不満解決に向かっているとも考えられる。それは韓国の政治が大衆に迎合する“ポピュリズム政治”に流れていることを示唆する。

緊迫感高まる朝鮮半島情勢

 
 ポピュリズム政治が進むと、政治は目先の世論に迎合し始め、中長期の視点に立った改革は進みづらくなる。韓国の政治・経済の不安定感は高まり、朝鮮半島情勢は今以上に緊迫化する可能性がある。近年の経済低迷の不満を解消するために、朴前政権は中国との関係強化を重視した。そこには北朝鮮をけん制する狙いもあったはずだ。

 しかし、韓国が米国製のミサイル迎撃システムの配備を進めると、中国は韓国を批判し、制裁措置まで導入している。中国に頼って朝鮮半島情勢を安定させるのは難しいだろう。中国が韓国に求めているのは恭順だ。秋の共産党大会に向けて支配基盤を固めようとしている習近平国家主席の本音は、「素直に言うことを聞くのであれば面倒は見る、そうでなければ関係は強化しない」だろう。習氏の指導の下、海洋進出などの覇権強化を進めつつ、国際社会に与える影響力の拡大も目指されるはずだ。米国の圧力を受けて、北朝鮮の軍事的挑発を抑えたり、不均衡の是正に向けた通商交渉に応じる可能性は低いと考えられる。

 韓国にとっての現実路線とは、中国とは付かず離れずの関係をとりながら、日米との関係を強化することだ。反日姿勢はそれを妨げる。大統領選挙に向け、各候補ともに、朴被告(前大統領)が日本と合意した慰安婦問題に関する最終的な合意の再交渉を求めている。国際政治のなかで、政府間の最終合意を再交渉するのは前代未聞だ。

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