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韓国、慰安婦問題合意を破棄か…自ら日韓関係悪化させ経済破綻危機の兆候

文=真壁昭夫/法政大学大学院教授
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 米欧を中心に自国第一主義の政治が進むなか、貿易依存度の高い韓国経済が厳しい状況に直面する可能性もある。経済を牛耳る財閥の経営が行き詰まれば、社会の閉塞感は高まるだろう。朝鮮半島情勢の安定が見込みづらくなれば、韓国ウォン安が進み、輸入物価を通してインフレ率が上昇することも考えられる。不透明かつ、不安定な状況に対応するためには、日韓通貨スワップ取極など、日本との政治、経済面での関係を強化することが重要だ。

優先されるべきアジア各国との関係強化

 
 今後、韓国の反日姿勢は強まるだろう。日本は、それに過度な配慮を示す必要はないだろう。政府間の合意遵守だけを求めればよい。政府間合意が遵守されているかどうか、事実に基づいた判断が求められる。

 日本は、国際社会における存在感の向上のためにエネルギーを使うべきだ。韓国が直面する状況は、対岸の火事ではない。朝鮮半島情勢の緊迫化懸念が高まるなか、日本はアジア各国との関係強化を急ぐ必要がある。自国の利益を守るためには、多くの親日国を獲得しなければならない。民主主義の根底には多数決による意思決定がある。力の論理ではなく、数の論理で米国を中心とする安全保障面の強化、多国間の経済連携の重要性を国際社会に届けることができるよう、日本はインフラ外交などを進めてアジア各国との関係強化に動くべきだ。見方を変えれば、韓国が対日関係の改善を求めるほどに、対アジア外交を強化すればよい。

 今、世界の安定に必要なことは、軍事力の行使に代表される“ハードパワー”ではない。大国がハードパワーを行使し始めると、世界は未曽有の危機に直面する。重要なのは、自由経済を重視し、国際連携を推進してきた米国の吸引力、価値観である“ソフトパワー”を各国間で共有することだ。

 米欧が内向きに走るなか、日本はその価値観を代弁すべきだ。世界を支えてきた価値観を米国が取り戻すことができないと、強硬姿勢を思いとどまらせることも難しい。米国の強硬姿勢が続くと、朝鮮半島情勢だけでなく、世界全体が厳しい状況に直面するおそれがある。本当にそうした状況になれば、欧州ではドイツ、ロシアの影響力が強まり、中国がさらなる覇権強化を目指すなど、世界は不安定化するだろう。

 世界はこれまでの発想が通用しない“非連続”かつ“不確実”な状況を迎えている。わが国がこの状況に対応し、自国の安定を実現していくためには、グローバル化の推進などの是は是、保護主義政策などの非は非、の立場を明確にし、他国の賛同を取り付けることが欠かせない。
(文=真壁昭夫/法政大学大学院教授)

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