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オンワード、売上減地獄突入の兆候…大量閉店と資産切り売り、リストラで多額損失

文=編集部

路面店を計画していた銀座の一等地を売却

 オンワードの17年2月期の連結決算は、売上高が前期比7.1%減の2449億円、営業利益が11.3%増の42億円、純利益は10.9%増の47億円だった。

 中核事業会社のオンワード樫山の百貨店販売は、婦人服ブランドの「23区」など冬物は好調だったが、夏場から秋口にかけて苦戦したことが響き、減収となった。仕入れを抑えるなどして在庫管理を強化したほか、値引き販売も減らして営業利益は増益となった。

 オンワードは構造改革費用として、不採算ブランドの整理、退職金、固定資産の減損損失など45億円の特別損失を計上したが、固定資産や有価証券の売却益など特別利益99億円が寄与し、増益になった。

 オンワードは、採算の改善を最優先に、資産を売却している。東京・銀座の並木通りにある面積308.88平方メートルの土地は、16年8月30日に135億円で阪急電鉄に売った。14年7月に取得して自社ブランドの路面店を計画してきたが、業績の悪化でこれを断念。譲渡価格と帳簿価格の差額20億円を特別利益に計上した。

 また、同年10月31日、大阪市中央区の事務所兼賃貸用不動産を85億円で譲渡し、固定資産売却益50億円を計上。さらに、今年1月から2月にかけて上場有価証券6銘柄を手放し、17億2500万円の売却益を捻出した。

 オンワードの17年2月期の純利益が当初見込みより増えたのは、資産を切り売りして特別利益を出したからにほかならない。赤字転落を避けるための苦肉の策である。

 当然、資産を売るだけでは活路は開けないため、販売面でも攻勢をかける。3月15日、EC専用の婦人服ブランド「Two Faces(トゥー フェイシーズ)」を立ち上げた。LINE前社長の森川享氏が運営する動画配信サービス「Cチャンネル」と組む。

 18年2月期の売上高は前期比2.3%減の2393億円、営業利益は35.6%増の57億円、純利益は11.7%増の53億円と予想している。オンワード樫山が56店舗閉鎖するため減収になるが、それを補うためにネット通販を強化するとしている。

 ネット通販の拡大で、アパレル企業の経営環境はどこも厳しくなっている。ネットを制するものが、アパレルを制するとまでいわれている。オンワードにとっても、17年は試練の年となる。
(文=編集部)

BusinessJournal編集部

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