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ヘルス・ライフ

そのペットフードは危険?人間が食べられない物はNG!安物や獣医師推奨、高級品も要注意

文=船山隆子/清談社
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「ソフトタイプのフードはやめておいたほうがいいでしょう。ソフトタイプは、やわらかさを維持するために保水剤や湿潤調整剤を添加しており、これらの添加物は人間の食品には使われないものも多いです。

 着色料も、飼い主である人間にとっておいしそうに見えるから入っているだけで、必要ありません。犬用のジャーキーも、健康のために塩分が控えられているはずなのに、肉にカビが生えない。これはおかしいですよね? そもそも、嗜好性の高いフードは油脂分が多い傾向にあります。肥満も、飼い主さんが注意しなければならないことのひとつです」(同)

 また、ペットの健康に神経質になるあまり「アレルギーフリー」のフードを与える飼い主もいるが、T氏はこれもよくないと指摘する。

「アレルギーフリーは、皮膚炎や内臓障害が出たときに用いる『奥の手』なんです。ビーフがだめならチキン、チキンがだめならラム、小麦がだめなら米というように、アレルゲンを避けていくためのもの。

 飼い主さん同士の口コミで『皮膚にいい』『毛ヅヤがよくなった』と聞いたからといって、アレルギーでもないのにダックやタピオカまで与えると、皮膚炎や内臓障害を発症したときに食べるものがなくなってしまいます。そのため、むやみにアレルギーフリーのフードを与えないでください」(同)

 さらに、最近は肥満予防などの理由から「グレインフリー(穀物不使用)」のフードを薦めるネット記事を多く見かけるが、このグレインフリーについても「ペットの現実」に照らし合わせて考えるべきだという。

「犬や猫の寿命が延びているのは、フードの進化が大きいといわれます。私が動物病院を開業した約30年前、猫の寿命はわずか4年ぐらいでした。それが今や15歳や20歳の猫がざらにいます。この猫たちはネズミを主食にしているのではなく、フードを食べて長生きしているわけです。そう考えれば、猫が肉食だからといって肉だけ食べればいいとはいえないでしょう」(同)

 そもそも、ペットの健康を維持する上で重要なのはフード選びだけではない。T氏は、ネット情報や口コミに振り回されてフード選びに神経質になる飼い主に、こう苦言を呈する。

「フード選びと同時に、まず飼い主さんは自分の生活を見直してください。犬や猫の食欲が落ちているとすれば、それはフードではなく、散歩に数日行っていなかったり、来客続きで寝不足だったり、転職などで飼い主さんの生活環境が変わったりしたことが原因かもしれません。ペットの健康を維持するには、実は飼い主さんが自分の生活の変化に気を配ることが何より重要なのです。獣医師は、飼い主さんに『生活を変えろ』とは言えませんから……」(同)

 犬や猫は、食事も飼い主も自分で選ぶことはできない。ペットを「家族の一員」と考えるなら、愛する我が子のためにやれることはまだまだありそうだ。
(文=船山隆子/清談社)

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