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――だけど、あれが正しい構成作家の戦い方だったのだ。いの一番に舞台監督の懐に入った奴が正しくて、劇場で人間関係を度外視して、毎日ネタばかり作っていた僕は間違っていたんだ。
この世界で生きて行くということは、奴になるということでしかないのだ。
でも、よくよく見渡してみれば、業界全体が、そんな人間を是としていた。
いや、世界全体が汚くて醜くて不純な人間を是としていた。
僕の中の“正しさ”は、この世界とズレまくっている。
(『笑いのカイブツ』p194より引用)
自分が正しいと思う笑いを、自分が正しいと思うやり方で最後まで貫く。笑いを生み出すことだけにすべてを捧げてきた男には、生きづらい世界が広がっていたのだ。
ただ、ツチヤさんは「笑い」を生み出すことは、今もやめてはいないようだ。さまざまなことに絶望しながら、それでも「笑い」だけを追い求めている。傍からみたら、不器用すぎる生き方かもしれないが、その真っすぐすぎる生き方にかっこよさも感じるのではないだろうか。
『オードリーのオールナイトニッポン』でたびたび語られていた「ツチヤタカユキ」は、さわりの部分だろう。彼自身が何を考え、どのように過ごしていたのか。特にヘビーリスナーたちは興味深く読めるはずだ。
(新刊JP編集部/N・T)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。