「ところが、企業が思い込むイメージと違い、主婦たちは急な欠勤などしないし、遅刻もありません。むしろ、学生がテスト期間で空けたシフトの穴を彼女たちが埋めてくれたぐらいです。

 その経験から、親子カフェ2号店のスタッフは学生とフリーターの比率を下げて半数を主婦にし、3号店からはシングルマザーに店長をお願いしました。主婦たちは勤勉さや気配りに加え、何より生活があるので、すごく一生懸命やってくれる。結果、この方法が一番うまくいきました」(同)

 親子カフェのスタッフには、出産前に大手企業に勤めるなど、キャリアのある女性も少なからずいたという。「こんな優秀な人が多いなら、もっと彼女たちのスキルを生かせないか」(同)。そう思って藤代氏が立ち上げたのが、ママスクエアである。

「保育園落ちた日本死ね」がなくなる社会に

 ダイバーシティをキーワードに、大学卒業後の進路、働き方、恋愛や結婚のあり方など、多様な生き方があるなかで、小さな子どもを持つ母親の選択肢だけが極端に少ない……。そんな違和感を覚える人は多く、藤代氏もその1人だ。

「私は、必ずしも母親が働かなければいけないとは思っていません。しかし、働きたいときに働ける、というのを『選べる』ことが重要。子どもがいても社会とのつながりを持ちたい、と思っているお母さんはたくさんいます。

 それなのに、出産後に働くなら保育園に預けなければならず、育児をするなら仕事を辞めなければならない。やりたいことがあるにもかかわらず、母親たちにそんな選択肢しかないのは、おかしくないですか?」(同)

 前出の鈴木氏も「男女平等が推奨されているのに、いざ子どもを産むと、女性は蚊帳の外に置かれてしまう。少子化対策を考えるなら、母親たちがつながりを持てるような社会にしていかなければなりません」と社会の変化に期待を寄せる。

 今年1月30日、ママスクエアは、新生銀行と新生企業投資(SCI)が設立した国内の子育て関連事業に投資する「子育て支援ファンド」の第1号投資案件に選ばれ、4月3日には大和リースとの資本提携もリリースされた。ママスクエアのような取り組みが増えていけば、「保育園落ちた日本死ね」のような投稿もなくなるのかもしれない。
(文=藤野ゆり/清談社)

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