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『貴族探偵』相葉の存在感ゼロ、もはやナマセが主役…ナマセによるナマセのためのドラマ

文=米倉奈津子/ライター
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 その後、メチャクチャな推理を自信たっぷりにオーバーリアクションで披露したかと思えば、厄神の妻に事情聴取中、妻が厄神の別荘を週1回しか掃除しないことに過敏に反応し、意外にキレイ好きな面を垣間見せる。さらには「男・鼻形、一生に一度のお願いです」というフレーズを簡単に連発して高徳に呆れられ、「常見が、まだしゃべっている途中でしょうが!」とフジの往年の名作ドラマ『北の国から』の名ゼリフ(黒板五郎=田中邦衛)のパロディをぶっこんでくるなど、もう生瀬のやりたい放題である。

 ちなみに今回、厄神の妻を演じる横山めぐみは、約30年前に『北の国から』で純こと吉岡秀隆の恋人役、レイちゃんを好演して一躍世間の注目を集めたが、もし生瀬はそれを意識してアドリブでこのセリフを放ったのだとすれば、恐るべしである。

 さらにナマセの疾走は続く。自分のミスを指摘されるとネチネチと反論するナマセ、部下の手柄を平気で横取りするナマセ、いつも部下に席を取られて座れないナマセ、すぐに権力にひれ伏すナマセ、簡単に食べ物で買収されるナマセ、変に細かいところが気になるナマセ、「警察の威信」を「警察のミシン」と言い間違えるナマセ、会話相手の顔が近いことに異常なまでに過敏に反応するナマセ……。

 このほかにも同ドラマで気になる点がある。召使いを演じる中山、松重、滝藤らベテラン勢による犯罪の再現VTRのほうが面白く、ドラマ本体を食ってしまい、むしろ前者をメインにしたほうがいいんじゃないかという気がするほどだ(すっかり再現VTRではしゃいでツッコミまくるナマセも面白い)。特に松重と滝藤のラブシーンなんて、本当に2人とも仲よさげで楽しそうだしね(ちなみに前クールの連ドラ『バイプレイヤーズ』(テレビ東京)で2人は共演しているが、下北沢の神社の前で偶然に滝藤を見かけた松重が、「あれ、滝藤クン」と声をかけるシーンは良かった。それにしても、松重は『バイプレイヤーズ』『貴族探偵』に加え、今クールでは『孤独のグルメ』<テレビ東京>で主役を務めているが、スケジュールはどうなっているのだろうか)。

 とにかく、主役の相葉と武井が、視ていて心配になるほど存在感がゼロなこともあり、ドラマを見終わった後でナマセ(と召使い)の印象しか残っていない。もはや、完全に主役はナマセで、ナマセによるナマセのためのドラマとなってしまっている(登場時間も相葉よりナマセのほうが長い気がするのは、気のせいだろうか……)。

 そんなナマセを楽しむため、次回放送もぜひチェックしたい。
(文=米倉奈津子/ライター)

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