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永濱利廣「“バイアスを排除した”経済の見方」

アベノミクス好景気で「粉もん」消費量減少…景気、麺やお好み焼き等の粉もんと相関関係

文=永濱利廣/第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト

 では、こうした家計小麦粉消費量は、価格の上昇がマイナスに作用するとされる家計の消費者心理とどのような関係があるのだろうか。そこで以下では、消費者心理のデータを用いて、家計の小麦粉消費量とどの程度関係があるかを調べた。

 内閣府「消費動向調査」の消費者態度指数を用いて、家計の小麦粉消費量との関係を見ると、株価との関係ほどではないが、両者に負の相関関係があることが確認される。そして、消費者心理が1ポイント悪化すれば、家計の小麦粉消費量が約+0.8%増加する関係にあることがわかる。

 近年は、家計の小麦粉消費量は東日本大震災が起きた11年がピークとなっていることから、それ以降の消費者心理の改善が、間接的に家計の小麦粉消費量の減少に結びついてきた格好といえよう。今後も景気後退局面入りすれば、低価格で空腹を満たせる粉もんの原料となる家計の小麦粉消費は増加に転じる可能性が高い。

 ただ、共働き世帯の比率上昇が続けば、景気が後退しても中食や外食の比率はそれほど下がらず、結果的に小麦粉消費量はそれほど増えないという可能性もある。従って、小麦粉消費量が景気のバロメーターとして今後も機能するかどうかは、今後の世帯構造の変化次第といえよう。
(文=永濱利廣/第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト)

アベノミクス好景気で「粉もん」消費量減少…景気、麺やお好み焼き等の粉もんと相関関係の画像5
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永濱利廣/第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト

永濱利廣/第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト

1995年早稲田大学理工学部工業経営学科卒。2005年東京大学大学院経済学研究科修士課程修了。1995年第一生命保険入社。98年日本経済研究センター出向。2000年4月第一生命経済研究所経済調査部。16年4月より現職。総務省消費統計研究会委員、景気循環学会理事、跡見学園女子大学非常勤講師、国際公認投資アナリスト(CIIA)、日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)、あしぎん総合研究所客員研究員、あしかが輝き大使、佐野ふるさと特使、NPO法人ふるさとテレビ顧問。
第一生命経済研究所の公式サイトより

Twitter:@zubizac

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