
以前に本連載記事でも書いたとおり、私は現在「家は買ったほうがいい」という判断をし、実際にそうしました。
しかしそれは、結婚して子どももできて家族構成がほぼ固まったことと、夫婦ともに自営業なので、転職や転勤などで転居を迫られる可能性も低いという理由があってのことです。個人的には数年ごとに新しい街に住むことが好きで、実際に学生時代から数えても10回以上の引っ越しを経験しています。
ただ、独身ならともかく、世帯での引っ越しは荷物も多く、住所変更しなければならないものもたくさんあり、肉体的にも精神的にも時間的にも大変ですので、しばらくは定住の予定です。
一方で、私がサラリーマンだったころや、経営者として従業員を数多く抱え、3つの事業所・店舗を経営していたときには、「賃貸のほうがいい」と考えていました。サラリーマン時代には異動による転勤や、転職して勤務先が変わるといった可能性がありましたし、独立起業したあとも、業態や事業規模に合わせてオフィスを移転する可能性があったからです。
また、当時は夫婦2人で子どももいませんでしたから、将来の家族構成の変化に備える必要がありましたし、収入も不安定だろうという予測もあり、自分の状況に応じて住まいを選べるようにしておく必要があったからです。
そこで今回は、賃貸に住むことの魅力とメリットをご紹介します。
賃貸は自由を買う行為
賃貸で得られるものは自由です。転職した、結婚した、子供ができた、収入が上がった、もっと便利な街を見つけた、もっと高品質な物件を見つけた、という場合でも、最適な場所の最適な物件を選べます。資産価値などを考える必要もなく、売るとか貸すとか余計なことを考える必要もありません。
六本木ヒルズレジデンスや東京ミッドタウン・レジデンシィズは、月額賃料が100~500万円もします。そんな場所を借りている人の多くは起業家や会社経営者です。職住近接で時間を買うという理由だけでなく、会社の業績に柔軟に対応できるようにするため、という理由もあります。あるいは本社の移転とか、海外支社立ち上げの陣頭指揮を執るとか、拠点が変わる可能性もあるからでしょう。
大家の了解がなければ自分で勝手に内装を変えることはできないという制約はあるものの、建物のメンテナンスや、内装・設備の修繕などを気にする必要がありません。これらは基本的に大家の負担だからです。設備が故障したら大家(もしくは管理会社)に電話すれば、故意や過失でなければ自己負担ゼロで修理してくれます。これはラクです。