NEW
企業・業界

日本郵政、巨額減損発生でノウハウなき海外進出頓挫か…西室前会長の独断的買収が危機招く

文=編集部
【この記事のキーワード】

, ,

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 グループ内でも『すぐに減損処理せざるを得ない』との見方が強まっていた。

 このころ、西室氏がかつて社長を務めた東芝の子会社、ウエスチングハウスも原発の受注悪化などから減損が避けられないとの見方が出ていた。だが、東芝はまだ『将来の収益が見込める』として損失の計上は不要との姿勢を続けていた。

 16年2月に取材に応じた日本郵政幹部は同年3月期にトールの減損を実施するのかと問われ、こう答えた。『しない。ウエスチングハウスと同じだ』」

 西室体制下の経営幹部は、トールとウエスチングハウス(WH)を同一視していたことになる。西室氏も彼の子飼いの幹部たちも「WHが沈むことはない」と盲信していたということなのか。

 16年4月、西室氏から長門氏に経営はバトンタッチされた。

 日本郵政の新本社は千代田区大手町2丁目、逓信総合博物館が入居していた逓信ビルと東京国際郵便局の跡地に建設中。2棟で構成し、A棟は地上35階、B棟は同32階建て。延べ床面積は2棟合わせて34万9000平方メートル。建物は2018年10月頃に完成する。内装は西室氏の意向を踏まえ、欧米の先進企業をモデルにした。担当役員が米・ニューヨーク市などで世界的なIT企業や金融機関を多数視察していた。西室氏本人は、この新ビルで仕事をして19年春に辞任というタイムスケジュールを立てていた。

 西室氏の病気入院による経営の空白が懸念されたかたちの社長交代で、西室氏は無念のリタイアとなった。

 西室氏の出身母体である東芝は、粉飾決算問題の深刻な後遺症で苦闘が続く。米原発子会社ウエスチングハウスの巨額減損、経営破綻で解体の危機に瀕している。

 かつて東芝本社ビル38階の役員フロアには社長、会長の執務室のほかに、相談役の個室があった。西室氏は土光敏夫氏が使っていた部屋に居座り、東芝の首脳人事を壟断してきた。

 東芝の米原発子会社の経営破綻、日本郵政の豪物流子会社の減損処理。「西室氏が行くところ巨額損失あり」と揶揄する声が多い。
(文=編集部)

RANKING

関連記事