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殺虫剤を使わずゴキブリを完璧に追い出す!たった5カ月で32万匹、驚異の繁殖力を封じる

ヘルスプレス編集部
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最終目標は「食の安全」

 

 ところで、大久保氏は実は「大のゴキブリ嫌い」だという。見るのも嫌な害虫の退治を、なぜ仕事にし始めたのか。

 金融会社に就職し社会人となった大久保氏は、当時、世間の注目を集めていた孫正義氏と会談するという僥倖に恵まれた。このとき22歳。孫氏は彼に「世の中の役に立つ仕事をしてください。そして、その業界でナンバー1になってください」とアドバイスしたという。

 孫氏の語った人生設計をモデルに、いずれ起業をと考えていた大久保氏は、28歳の頃、レイチェル・カーソン著『沈黙の春』を読んで強く心を揺さぶられる。同書は、農薬が自然に及ぼす危険性を調査して警鐘を鳴らす内容で、アメリカでは半年で50万部も売れた本だ。

 そんな折、彼はネズミやゴキブリ対策のため、レストランなどの厨房で定期的に殺虫剤が撒かれている事実を知る。殺虫剤での駆除は、短時間・少人数で行うことができる。しかし、薬剤の効果は、厨房はもちろん食器や食材にまで影響する。そんな厨房でつくられた料理を食べたくはない。

 殺虫剤を使わずに衛生管理ができる方法はないか--。さまざまな文献を調べた大久保氏は、ついに農業の分野に「総合的病害虫・雑草管理(IPM)」という農薬を使わない手法を見いだした。

「病害虫の防除に関して利用可能なすべての防除技術を利用し、農薬(編集部注:殺虫剤)だけに頼らない適切な手段を総合的に講じる防除手法」であるIPMを厨房の害虫対策に応用し、環境認証や衛生管理の手法などを融合させた体系を構築・発展させていく。

 具体的なIPMの方法は、ケースバイケースで専門的になってくるので、ぜひ本書で確認してほしい。

 そうして、孫氏のアドバイスである「世の中の役に立つこと」と「薬剤に頼らない害虫対策」を結びつけ、「これを一生の仕事にしよう!」と覚悟を決め、31歳で会社を興した。

 大久保氏の会社は、厳密にいえば「害虫駆除業者」ではない。「環境改善サービス・衛生管理コンサルティング」という意識で業務を行っている。そして、彼の最終目標は、「食の安全」だ。殺虫剤に頼らない害虫駆除で環境を変えれば、衛生的な厨房で安全な食べ物が調理できる。そこで働く人たちも、もちろんその店へ食事に来るお客も安心を得られる。

 この手法によって他の害虫対策にも変化が起こり、人々の健康被害の防止、食の安全・安心、ひいては地球の環境保全までつながると大久保氏は考えているのだ。彼の夢は、「ゴキブリ対策で地球を守る」。会社名「アースウェル」も、その夢からつけられたもの。小さな厨房の環境整備からつながる世界への視点が、この本によって広がることを彼は願っている。
(文=ヘルスプレス編集部)

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