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動物実験は虐待か…実験動物の苦痛を軽減するシステムが不十分な日本

末田輝子
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動物実験関係者は動物の生命に真摯に向き合うべき

 侵襲性の大きい動物実験を実施する場合には、ヒトの場合と同様、周術期管理の知識・技術を有する臨床獣医師が実験動物の手術の統括を行い、術後の管理には資格・技術を持つ飼育技術者が行うというシステムの確立が急務です。そのような「苦痛軽減を担保するシステム」があれば、動物実験に対する市民の不安も軽減されるのではないでしょうか。  
 
 私は、日本における動物実験の場に、臨床獣医師と専門の教育を受けた技術者や動物看護師が周術期ケアを行うような実験動物の苦痛軽減を担保するシステムが一日も早く普及・定着することを強く望んでいます。

 実験動物たちは、自らが望んだわけではないのに、実験動物としての使命を与えられ、人類の健康や幸福に多大な貢献をしていますが、言うまでもなく動物に苦痛をもたらすものです。そしてかけがえのない「生命」は失われます。このことを私たちは真摯に受け止め、動物実験の在り方を吟味し、種々の問題点の改善を行う責任が私達動物実験関係者にはあると思います。
(文=末田輝子)

末田輝子
東北大学大学院医学系研究科附属動物実験施設勤務。
「実験動物ブタの福祉のための看護的飼育管理の考案」で平成24年度科学技術分野の文部科学大臣表彰 創意工夫功労者賞を受賞。末田さんを2年がかりで取材してまとめられたノンフィクション「ありがとう実験動物たち」(太田京子著、岩崎書店)も話題に。

MRIC 2017年4月28日より抜粋転載。全文は(http://medg.jp/mt/?p=7507)

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