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なぜ人間は「数量限定」「無料サービス」に弱いのか? 行動経済学のキホンを学ぶ

新刊JP
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なぜ人間は「数量限定」「無料サービス」に弱いのか? 行動経済学のキホンを学ぶの画像1※画像はイメージ(新刊JPより)。

 「数量限定」と聞くと、急に欲しくなってしまう。「2,000円」と「1,980円」だと、たった20円差なのに1,980円のほうがかなり安く感じてしまう。

 こうした心理はよくあるもの。損しないように生きているつもりでも、非合理な行動をとってしまうのが我々人間なのだ。

 そんな行動経済学を分かりやすく実例を交えてて教えてくれる文庫本が『盛り合わせを選んだらお店のカモ! 大人の経済学常識』(トキオ・ナレッジ著、宝島社刊)だ。「おトクに見える盛り合わせメニューは損だった」「ランチブッフェは元が取れない」などの経済学から見た常識の数々は、もしかしたら目からウロコかもしれない。

■「数量限定」「無料イベント」…人間の判断を狂わせるワナ

 日常生活で何かを購入するとき、「この金額に対して質はどうなのか」「自分にとって必要か」と考えるものだ。

 経済学では、人間は合理的に動く存在であると仮定して研究が行われる。しかし現実はそうではない。実は無意識のうちに非合理的な判断や行動をとっている。その非合理な心理を分析し、実験を行うのが行動経済学である。

 そこで分かってくることは、私たちがいかに非合理な行動をしてしまっているかということだ。

 例えば、「数量限定」「売り切れ次第終了」という文字は、買う予定がなくても足を止めてしまうもの。買うか買わないか迷っていたら、最後のひと押しの言葉になるかもしれない。

 これは「アンカリング効果」という言葉で説明できる。人は最初に見た言葉や数字を重要と認識し、その後の行動が影響を受けるというものだ。「アンカリング」とは「アンカー」、つまり錨(いかり)である。限定ならば価値があるに違いないと思考が固まってしまうのだ。

 しかし、どうして「数量限定」「売り切れ次第終了」が価値あると思ってしまうのだろう。

 心理学的には「限定を逃せば買えなくなる」ということは、「いつでも買える」という行動の自由を奪う情報である。だから、買うことで自分の自由を無意識に取り戻そうとしていると著者は解説する。

 また、「タダより高いものはない」とはよく聞くものだが、私たちは何かを買うときに、「損をしたらどうしよう」などといった大きなストレスが無意識のうちにかかっている。この心理をついたのが、「無料サービス」である。

 しかし、収益を上げなければいけない民間企業が無料ですべてを提供できるわけがない。無料サービスを受けて本当に良い商品だと思うなら購入しても良いだろうが、安易に無料という言葉に飛びつかないようにすべきだということを本書は教えてくれる。

 普段の生活の中で活かすことのできる経済学常識を紹介する本書。1つの項目に半ページほどの文章と図やイラストが入っているので気軽に読める。「なるほど」と頷くことばかりなはずだ。

(新刊JP編集部)

※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。

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