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成馬零一「ドラマ探訪記」

連ドラ『リバース』は類いまれな傑作である…怪演の武田鉄矢と藤原竜也は新たな境地へ

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 湊かなえの小説は、あるひとつの事件が起きた顛末を過去・現在・未来の時系列をバラバラにシャッフルして、複数の登場人物の視点から語ることが多い。

 つまり、小説の時点でとてもパズル的なつくりとなっているのだが、これを実写映像化する際にどのように料理するのか、映像のつくり手たちは毎回問われることとなるのだが、本作のドラマチームは原作が書き込んでいない枝葉の部分に肉付けをすることで、ドラマに厚みを与えている。

 これは俳優にとっても同様で、湊かなえ作品に出演する役者は、みんな水を得た魚のようにイキイキしている。

 本作では、武田鉄矢が演じる元刑事の怪演はときにドラマを壊しかねない迫力を見せているが、なんといっても主人公を演じる藤原竜也が素晴らしく、原作を先に読んでいると、深瀬というキャラクターを藤原がかなりふくらませていることがよくわかる。

 ここ数年、「エキセントリックなクズ男を演じさせたら藤原竜也」というイメージができあがっているが、本作の深瀬は印象の薄い気の弱い青年である。不器用でオドオドしている姿を強調する演技はやや過剰ではあるものの、次々と不穏な事件が起きる湊かなえ作品にうまくマッチしている。

 おそらく、藤原にとって新しい引き出しを開ける仕事となるのではないかと思う。

 なお、原作小説のエピソードが描かれるのは第9話までで、最終話となる第10話は湊かなえ書き下ろしのオリジナルエピソードとなるという。

 どうやら、小説を読んでからドラマを見た人も、ドラマを見てから小説を読んで先に結末を知ってしまった人も楽しめる、予想外の結末となりそうだ。
(文=成馬零一/ライター、ドラマ評論家)

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