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新見正則「医療の極論、常識、非常識」

長寿命で絶望しないために…「ボケても体元気」は家族にとって不幸?医師が考察

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 そして非常識君が、非常識君らしいコメントをします。

「いくら身体が元気でも、認知症になったのでは要介護の状態になってしまいます。認知症の介護をしていると、いっそ歩けなくなったほうが介護が楽だと思うことがあります。認知能力が低下しているのに運動機能がまったく問題ないという状態は、むしろ不幸です。ですから、ロコモティブ症候群の進行予防やフレイル状態で踏ん張り、より元気な状態に戻すことも大切でしょうが、なにより認知機能を低下させないことが重要に思えてなりません」

 極論君のコメントです。

「ジムに通っている人に認知症が進んだ人は少ないと思っています。だから僕は一生懸命にジムに通って身体を鍛えているのです」

 常識君の意見です。

「認知症が進むと、ジムに行こうという気力もなくなります。ジムでの継続的な運動が認知機能低下の予防に役に立つかは本当に知りたいところですね。そして、そうであることを願っています」

認知症を防ぐ

 非常識君の意見です。

「僕は認知機能に極端に障害が現れた時は、お迎えの時だと思っています。ですから、胃ろうも点滴もしてほしくありません。平均寿命と健康寿命の差を縮めるには、健康寿命を延ばすことがもっとも大切な作戦ですが、不健康状態となったら、自然のお迎えに身を任せることも、つまり余計な平均寿命の延長作戦に参加しないことも大切と思っています」

 常識君の解説です。

「死生観は各個人、または家族が判断する範疇でしょうから、強制できるものではありません。しかし、認知機能を低下させない薬の開発が何より待ち望まれていることは間違いありません。死ぬまで歩けても、認知機能に障害が現れていては家族も大変です。

・ともかく歩くこと。まず散歩。歩ける体をつくるためにダンス、太極拳、水泳もOK
・指先を使うこと。家事、盆栽、絵を描く、写経、楽器演奏など。
・アウトプットを。お喋り、歌う、ゲーム、ペットを飼う。
・ボランティアを。無償の奉仕はすばらしい。
・同居人に優しくされすぎない。
・社交的でいること。本好きは要注意。ぼけると読めない。
・ぼけ始めてもできることを。高尚な趣味はぼけ始めるとできない。
(『死ぬならボケずにガンがいい』<新見正則著/新潮社>より)

 以上は、少なくとも認知症防止によいと僕が思っていることです」

 今日は、お互いに共感できる内容で終始しました。
(文=新見正則/医学博士、医師)

●新見正則(にいみ・まさのり)
1959年生まれ
1985年 慶應義塾大学医学部卒業
1985年~ 慶應義塾大学医学部外科
1993~1998年 英国オックスフォード大学医学部博士課程
1998年~ 帝京大学医学部外科に勤務

幅広い知識を持つ臨床医で、移植免疫学のサイエンティスト、そしてセカンドオピニオンのパイオニアで、モダン・カンポウやメディカルヨガの啓蒙者、趣味はトライアスロン。著書多数。なお、診察希望者は帝京大学医学部付属病院または公益財団法人愛世会愛誠病院で受診してください。大学病院は紹介状が必要です。

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