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新見正則「医療の極論、常識、非常識」

幼稚園から受験勉強→一流大学卒業でも、最悪に不幸な人生を送る人もいる現実

文=新見正則/医学博士、医師
幼稚園から受験勉強→一流大学卒業でも、最悪に不幸な人生を送る人もいる現実の画像1「Thinkstock」より

 今回は「後悔」について話し合っています。“極論君”は次のようなコメントです。

「僕は何事にも後悔しやすい性分なので、後悔しないように、なんでも良いと思われることはトライするのです。明らかにそれが良いとわかっていなくても、あとでやらなかったことを後悔するよりは、可能なことはなんでもやっておきたいのです」

 一方で“非常識君”は次のような意見です。

「僕は何事にも後悔しない性格なので、明らかに良いと思われること以外はやりません。そんな選択肢で少々不利益なことが起こっても、それを受け入れるようにしています」

“常識君”のコメントです。

「後悔というキーワードは医療でも大切です。明らかに健康や長生きにとって良いと思われることを、多くの人は選ぶでしょう。問題は明らかではないことと、どう付き合うかです。インフルエンザに罹りたくないからワクチンを打つ、進行がんは命に関わるので早期発見のために人間ドックを受けるなど、いろいろとありますね」

 極論君の意見です。

インフルエンザワクチンが発症防止にはあまり効果はないともいわれています。しかし、重症化の防止には効果があると謳われています。明らかにマイナスなことがないのであれば、僕はワクチンを打ちますよ。インフルエンザワクチンを打たないで、インフルエンザに罹って、それも重症化したら後悔するからです。

 打っても、もしかしたらインフルエンザに感染して、重症化するのかもしれません。しかしワクチンを打っておけばよかったという後悔は、ワクチンを打っておけば絶対にしません。人間ドックも、症状が出る前に早期がんを見つけても、症状が出てから病院で検査をして治療を始めても、予後には明らかに差がないという人もいます。確かにそうなのかもしれません。でも後悔という言葉は、人間ドックを受けておけば生まれません。僕は明らかな差を、医学上の統計による差を求めてはいないのです。ただただ後悔したくないのです」

性格の問題?

 非常識君のコメントです。

「インフルエンザワクチンは無料ではありません。少なくとも数千円以上かかります。インフルエンザワクチンでは子宮頸がんワクチンのような重篤な副作用の話はほとんど目にしません。しかし、インフルエンザワクチンの効果は期間限定のため、毎年の接種を勧められます。毎年数千円以上の出費が問題ない家庭は、後悔しないために接種するという選択肢もありますね。

新見正則/医学博士・医師

新見正則/医学博士・医師

1959年生まれ
1985年 慶應義塾大学医学部卒業
1985年~ 慶應義塾大学医学部外科
1993~1998年 英国オックスフォード大学医学部博士課程
1998年~ 帝京大学医学部外科に勤務

 幅広い知識を持つ臨床医で、移植免疫学のサイエンティスト、そしてセカンドオピニオンのパイオニアで、モダン・カンポウやメディカルヨガの啓蒙者、趣味はトライアスロン。著書多数。なお、診察希望者は帝京大学医学部付属病院または公益財団法人愛世会愛誠病院で受診してください。大学病院は紹介状が必要です。

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