ビジネスパーソン向け人気連載|ビジネスジャーナル/Business Journal

「ダウンロードしたものの、数回使っただけで休眠しているアプリがスマートフォン(スマホ)に入ったまま」という人も少なくないはずだ。テレビCMなどでは「数百万ダウンロード突破!」と威勢のいい言葉をよく聞くが、ダウンロード数ではなく、実際にどんなアプリがどの性年代にどのくらい使われ続けているのか。
本連載では、そんな「アプリの視聴率」をモニターの利用動向から調べるサービス「App Ape」を提供しているフラーに、四半期ごとに人気のアプリの実態について聞いている。今回も、同社のチーフビジネスマネージャー・岡田雄伸氏に「2017年1~3月」の動向について聞いた。
「クックパッド」と何が違う?料理アプリが躍進
――16年7~9月では「ポケモンGO」「AbemaTV」、10~12月は「日経電子版」「Coke ON」などが挙がりましたが、17年1~3月を象徴するアプリはなんでしょうか?
岡田雄伸氏(以下、岡田) 1~3月と少しずれてしまうのですが、3月末から4月末にかけて猛烈にDAU(1日に利用したユーザー数:App Apeにおいては1日に一度以上アプリを起動したユーザー数)を伸ばしている「DELISH KITCHEN」「kurashiru」という2つの料理アプリになりますね。
――料理アプリは定番というよりも、もはや飽和しているようにも見えますが、なぜ今、この時期になって伸びたのでしょうか。
岡田 テレビCMですね。いずれも、積極的にこの時期にCMを流していました。CMだけでなく、情報番組で紹介される機会も多かったです。
――「kurashiru」の運営会社delyのホームページを見ると、17年3月だけでテレビでは『めざましテレビ』(フジテレビ系)、『ZIP!』(日本テレビ系)、『スッキリ!!』(同)、『バイキング』(フジテレビ系)、『SmaSTATION!!』(テレビ朝日系)と、朝夜を問わず情報番組で紹介されています。さらに新聞や雑誌を含めれば、猛烈といっていいくらいのメディア露出です。
岡田 やはり、一般ユーザーに使ってもらうにはテレビCMが有効なんですよね。また、この2つのアプリの特徴は「レシピ動画アプリ」であることです。「クックパッド」でも「クックパッド料理動画」などのサービスを運営されていますが、「DELISH KITCHEN」「kurashiru」はレシピがすべて動画で、かつアプリ上で説明されています。「クックパッド」はユーザーがレシピを読むスタイルですが、「DELISH KITCHEN」と「kurashiru」は、とても感覚的かつ直感的に使えるんですよね。
――「DELISH KITCHEN」「kurashiru」ともにレシピ動画が1分前後でまとめられていて、つい見てしまう感じですね。アップで撮影されているので、スマホの小さい画面でも見やすいです。
岡田「クックパッド」でも一部でプロが提供しているレシピもありますが、「DELISH KITCHEN」「kurashiru」は調理から撮影まですべてプロによるものなので、きれいで見ているだけでも楽しいというのはありますね。見栄えのいいレシピが多く、盛り付けまで撮影されているので、「インスタ映えする料理をつくりたい」というニーズにも応えています。