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最新版ブラック企業332社リストが波紋…いまだに長時間サービス残業の悲惨な企業

構成=長井雄一朗/ライター

長時間労働などの労基法違反、4割がサービス業

――社会問題化している時間外労働の割増賃金未払いや「36協定」無視など、長時間労働に関する労基法違反は、サービス業他が最多の4割ですが、これについてはいかがでしょうか。

増田 昨年、社会問題化した電通もそうですが、サービス業は長時間労働が常態化しています。一因として、在社期間の長い社員ほど、よく働いているという固定観念が悪しき慣習化しているのではないでしょうか。実際、長く働くほど会社からの評価が上がるというシステムも長時間労働を助長しています。

 サービス業のなかでも、飲食などは厳しい過当競争を強いられてブラック化しやすくなっています。ただ、変化の兆しも見えています。ある大手企業では、働き方改革の一環で、4月から試験的に管理職が週に1日在宅勤務を行うようになりました。問題は中小・零細企業です。

――重層下請構造で末端の企業や、より消費者に近い企業もブラック化していくと、健全な企業を探すほうが難しくなりますが、どのように「働き方改革」を行っていくべきでしょうか。

増田 たとえば、ヤマト運輸は採算の合わないサービスや取引の停止を行う方針を打ち出しています。「ヤマトは大手だからできる」という側面もありますが、この流れに追従する運輸会社も出てきています。人手不足の状況ですべての仕事を請けようとすると、現場が悲鳴を上げてしまいます。これからは、取引先や仕事を選別する企業も増えてくるかもしれません。

ブラック企業は中小が7割?ゾンビ企業も多数

――今回公表された企業を見ると、売上高が少ない中小・零細企業に集中していますね。

増田 332社のうち、売上高が判明した244社を見ると、1~5億円未満が77社(31.5%)ともっとも多く、次いで1億円未満が58社(23.7%)、10~50億円未満が43社(17.6%)です。判明していない88社は、個人事業主か数字を把握できないほどの零細企業です。

 売上高10億円未満の中小・零細企業が164社(67.2%)と、全体の約7割を占めていますが、売上高が判明していない企業も含めれば、その比率はもっと高くなるでしょう。売上高が低い企業は立場が弱く、取引先から選別される立場にあります。「できません」と言えば明日から取引を打ち切られ、会社の存続にかかわる。そのため、従業員に無理を言わざるを得ないのです。

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