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最新版ブラック企業332社リストが波紋…いまだに長時間サービス残業の悲惨な企業

構成=長井雄一朗/ライター

――中小・零細企業の休・廃業数も年々増加しており、高止まりの傾向を見せています。そのような、後継者や担い手が不足している企業もブラック化しやすいということはありますか。

増田 事業継承がスムーズに進んでいなかったり高齢者が多かったりする中小・零細企業は、新しい人員を採用することに余裕がないため、現在の人員でまかなおうとします。そこで、従業員に無理をさせることになってしまい、結果的にブラック化する傾向にあります。

 これから、中小企業は良いところと悪いところの二極化が進むのではないでしょうか。たとえば、いわゆる「中小企業金融円滑化法」によって生きながらえている中小企業も少なくありません。同法自体は4年前に終了しましたが、終了後も政府は金融機関に対して、これまで通りの対応を求めており、業績不振企業の返済条件の“リスケ”や“猶予”が行われています。

 そのため、中小企業のなかには元本据え置きで金利分だけを支払っている“ゾンビ企業”がけっこう多いのです。政府は「リスケや返済猶予の期間中に、企業の経営努力や景気上昇により業績が回復する」ことを見込んでいました。

 事実、中小企業金融円滑化法により企業倒産は劇的に減少しましたが、一方で水面下に潜むゾンビ企業は減っておらず、倒産として表面化していないだけと見ることもできます。この出口戦略を、政府も金融機関も探っている状態です。

――中小・零細企業の「働き方改革」推進のために、必要な施策はなんでしょうか。

増田 現在、金融機関はじめ企業はコンプライアンスの観点から、反社会的勢力とのかかわりを持たないように企業を厳しく律しています。同じように、「法令に違反する企業とはお取引できません」という風潮が生まれれば、経営者の意識も変わっていく可能性があるでしょう。

――最後に、「こんな企業はブラック化しやすい」という傾向があれば教えてください。

増田 弊社は企業信用調査会社なので、多くの経営者の方々とお会いする機会があります。そこで感じたのは、トップの判断ですべてが運営され、まわりに苦言を呈する人がいないようなワンマン体制の企業は、ブラック化しやすいということです。

 大手であれば、多くの人材が揃っており、1人が労働環境を悪化させようとしても、それを止める人がいます。一方、ワンマン社長の企業は、その人の判断だけで労働環境を悪化させることができてしまいます。ワンマン社長や同族経営のすべてがブラックとは言いませんが、その素地は生まれやすいのではないでしょうか。新卒の学生さんが企業を調べるのには限界がありますが、経営体制を調べるというのも、ブラック企業を避ける手段になります。

――ありがとうございました。
(構成=長井雄一朗/ライター)

【※1】
『労働基準関係法令の違反企業332社』企業実態調査

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11:30更新
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