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平林亮子と徳光啓子の「女性公認会計士コンビが教える、今さら聞けない身近な税金の話」

知らなきゃ損!源泉徴収票をチェックして払う税金を減らす方法!究極の配偶者控除活用法

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社会保険の扶養の壁

 ところで、収入の上限が150万円に引き上げられたことで、従来よりも対象者が拡大しお得であるようにも思えますが、社会保険料については従来通りの壁が立ちはだかっていますので、注意が必要です。以下の条件にすべて当てはまる方は、社会保険料を支払うことになります。

(1)勤務時間が週20時間以上
(2)1カ月の賃金が8.8万円以上(年額で約106万円)
(3)勤務時間が1年以上見込まれること
(4)勤務先の従業員が501人以上であること

 上記にあてはまらないケースでも、年収が130万円を超えると、通常は社会保険に加入する必要が生じます。つまり、106万円、あるいは130万円を超えると、社会保険については家計の主な担い手の扶養から外れ、自ら加入しなくてはならないということです。

 しかも、一般的に社会保険の加入に関する判断をする際の収入は、交通費まで含めて計算しますので、所得税の配偶者控除の計算とは、異なる計算をしなくてはなりません。配偶者控除の件とは別に、社会保険の扶養の問題が存在していることに留意しておいてください。

配偶者の所得税も

 収入が150万円になれば、配偶者自身にも所得税が課せられることになります。仮に配偶者(妻)がパートで150万円の給与収入を得た際の所得税を試算してみます。

・給与所得=給与収入-給与所得控除
     =150万円-65万円
     =85万円
・所得=給与所得-基礎控除-社会保険料
   =85万円 -38万円 -22.5万円
   =24.5万円
・所得税=所得×所得税率(所得195万円以下の税率を適用)
    =24.5万円×5%
    =約1.2万円
 
※社会保険料は給与収入の15%という前提で計算しています。また、社会保険料は所得から全額控除される仕組みとなっています。

 配偶者控除を受けられる条件で働いたとしても、配偶者(妻)の所得に対して約22.5万円の社会保険料と約1.2万円の所得税がかかります。さらに住民税もかかります。そのため、仮に配偶者の収入が103万円から150万円に増えても、その割には手取りが増えないと感じると思います。

 ただ、配偶者の収入が150万円を超えるようであれば、一般的には社会保険の負担が増えたり配偶者控除が使えなくなっても、家計全体の収入は増えるケースが多いと思います。

配偶者特別控除も改正?

 配偶者控除の改正に合わせて、配偶者特別控除も要件が変わる予定です。配偶者特別控除は2017年分までは、合計所得金額38万円超76万円未満の配偶者が対象となりますが、改正後は配偶者特別控除の対象者が拡大されるとともに、配偶者控除の制度と同様、所得に応じて控除額が変化していくことになります。具体的には以下の表の通りとなります。


 例えば納税者の合計所得金額が900万円以下で、配偶者の合計所得が100万円以下なら26万円控除できるということです。納税者の所得と配偶者の所得によって、控除額が異なります。18年より条件や内容が複雑になる配偶者控除。適用できるはずだったのに適用しそびれた、ということのないよう、しっかりと関係書類を会社に提出してください。

亮子「ますます複雑になるね……」

啓子「はい。サラリーマンの方は、『書類をきちんと提出する』ことが何より重要です」

亮子「一方で、配偶者控除だからとか、扶養だからとか、ということではなく、働けるときは働く、稼ぐときは稼ぐ、家庭を守るときは守る、という選択をしっかりできる世の中になるといいと感じています」

啓子「配偶者控除の細かな損得で働き方を考えるのではなく、家庭全体で家計をどう支えていくのか、という視点を持てるといいですね」

(文=平林亮子/公認会計士、アールパートナーズ代表、徳光啓子/公認会計士)

●徳光啓子
2009年 公認会計士試験合格
2011年 明治大学商学部卒業
2011年から2016年、有限責任あずさ監査法人に勤務し、主に上場の製造会社を中心に監査業務に携わる。
2016年から税理士法人タックス・アイズにて企業の各種税務申告業務や会計・税務コンサルティングを行う。また、茨城大学にて非常勤講師として原価計算論等の講義を行っている。

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