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渡辺雄二「食にまつわるエトセトラ」

除菌・消臭スプレーは人体に危険!皮膚腐食や筋肉麻痺・中枢神経抑制の恐れ

文=渡辺雄二/科学ジャーナリスト

 塩化ベンザルコニウムを含んだ床用洗浄液の使用後に、室内に残存した成分を吸い込んだことによって、アレルギー性ゼンソクを発症した事例も報告されています。

 第四級アンモニウム塩のもうひとつの代表格である塩化ベンゼトニウムは、病院で消毒薬などに使われています。塩化ベンザルコニウムと特徴や殺菌力、主な副作用が似ています。いずれにせよ、細菌を殺すと同時に、人間にも影響を及ぼすことになるのです。

 除菌スプレーをベッドやソファ、まくら、布団、ぬいぐるみなどに使うということは、それらに第四級アンモニウム塩が付着するということです。布などに素肌が触れれば、第四級アンモニウム塩が皮膚に作用することになります。また、布団やまくらに使ってそれで寝れば、一晩中吸い込み続けることになります。長期間それが続いた場合、体に悪影響が現れないか心配されます。

安全な除菌・消臭スプレーをつくる

 そこで、おススメしたいのが、重曹(炭酸水素ナトリウム)を使った消臭法です。重曹は、昔から「膨らし粉」として、まんじゅうやクッキーなどをつくる際に使われているものです。重曹は値段が安く、たとえば「トップバリュ キッチン用重曹」は、1袋(600グラム入り)税込213円という低価格です。また重曹は100円ショップでも売られています。

 重曹はにおいを吸収する作用が強く、小さめのお皿に重曹を盛って部屋に置いておくと,嫌なにおいをかなりなくすことができます。トイレに置いた場合、トイレ用消臭剤を使わなくても、トイレの嫌なにおいをかなり解消できます。

 また、スプレー容器に水を入れ、重曹を少し入れて溶かせば、市販の除菌・消臭スプレーの代わりとして使うことができます。たとえば、スーツの脇の下などにスプレーすると、汗のにおいを解消できます。もちろん、ソファやカーテンなどにスプレーしても、消臭効果が期待できます。

 重曹は食品にも添加されているものなので、第四級アンモニウム塩に比べると安全性はかなり高いといえます。ただし、水に溶かした重層をスプレーする際、目に入ると痛みを感じるので注意してください。また、溶かした液が皮膚に付着するとヌルヌルするので、その場合はすぐに水で洗い流してください。
(文=渡辺雄二/科学ジャーナリスト)

渡辺雄二/科学ジャーナリスト

渡辺雄二/科学ジャーナリスト

1954年9月生まれ。栃木県宇都宮市出身。千葉大学工学部合成化学科卒。消費生活問題紙の記者を経て、82年からフリーの科学ジャーナリストとなる。全国各地で講演も行っている

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