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銀行にお金を預けておくデメリット
さて、話を戻して「預けておくデメリット」について説明しますと、たとえば、富裕層が金融機関に預けておくことで徴税等に関して詮索されるのを嫌がっているということもあるでしょう。また、マイナス金利政策が長引き、銀行の経営を圧迫するようなら、今まではかからなかった手数料がかかるようになる、あるいは既存の手数料を値上げするなどの措置が取られる可能性を嫌がっていることも考えられます。
しかし筆者は、タンス預金が増えている最大の理由は、「将来が見えない」「東京五輪後の景気に自信が持てない」「日本の財政破綻懸念」などといった、漠然とした不安と不透明感が蔓延しているからだと考えています。
総務省統計局は、「2016年の二人以上の世帯の消費支出が前年に比べ名目1.8%の減少となり、2014年以降3年連続の実質減少となった」と発表しています。また、ふみコミュニケーションズの調査で、「女子中高生の71.4%が日本の将来に不安を持っている」ことが明らかになった結果などを見れば、一目瞭然ではないでしょうか。

つまり、「景気が拡大している」といった強気スタンスの日銀に対して、実は国民の多くが「漠然とした不安・弱気を抱えている」という対照的な構図を見過ごしてはならないのです。
そして、この強弱のギャップを埋めるために、我々は何をすればよいのでしょうか。それには、「いつか誰かが何かをしてくれる」などという幻想を捨てて、個人個人が危機感を持って、戦略的に資産防衛、資産運用について対策を講じることが必要だと強く思うのです。
(文=阿部重利/ヒューマネコンサルティング株式会社代表取締役)
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