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北朝鮮の核脅威は、15年前の安倍首相の行動がもたらした可能性

構成=深笛義也/ライター
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「1993年にNPT(核不拡散条約)脱退を一時宣言した北朝鮮はその後残留を表明したものの、核開発を続けている疑いが濃くなり、94年にアメリカは北朝鮮の核施設、原子力発電所と燃料棒の再処理施設を攻撃しようと計画した。だが、現地の在韓米軍の司令部は、もし攻撃すれば53年以来休戦状態にある朝鮮戦争が再開するとして、損害見積もりをワシントンに提出しました。最初の90日で米軍の死傷者5万2000人、韓国軍の死傷者49万人、民間人の死者100万人以上という見積もりにワシントンの政府高官たちは愕然とした。

 そこで、北朝鮮への攻撃は行わないことになり、当時のクリントン米大統領はカーター元大統領に頼んで平壌に飛んでもらい、プルトニウムが出にくい軽水炉を2基提供するからプルトニウムの抽出はやめるということで話はついて、94年の危機は回避されたのです。

 今はその時と比べて、はるかに条件が悪い。原子炉などは固定目標で空から見えるから攻撃は容易だったが、核弾頭になった今はどこにあるかわからない。たとえ一部だけ見つけて攻撃すれば、残っている核弾頭付きのミサイルを日本や韓国に撃ち込んでくる可能性は高い。それに停戦ラインの北の地下陣地にあるのは、当時は大砲でしたが、今は射程60kmでソウルを狙うロケット砲と長距離砲がソウル前面だけで350砲ほどある。車載式ロケット砲は、22発積んでいて1分くらいで全部撃ってしまう。それから反撃しても、空のトラックを壊すだけです。

 トランプはそういうことを、何も知らずに威勢のいいことを言ったものの、国防長官のマティス海兵大将など軍人に説明されてわかったのでしょう。急に萎縮して、中国にお願いするという話になり、「金正恩氏に会えれば光栄」とまで言い出している。在韓米陸軍は韓国陸軍に比べれば規模は小さく、一個機甲旅団、ヘリ旅団、多連装ロケット部隊、対空部隊で計1万9000人。韓国軍は49万5000人です。世界中にいる米陸軍を合わせても47万人くらいなので、韓国軍はそれより多いのです。アメリカが韓国に置いている戦闘機は40機、対地攻撃機24機。韓国軍は480機なので、10倍くらい違う。北朝鮮と戦争となれば、主力は韓国軍になります。

 米韓連合司令部は、一応指揮権はアメリカが持っていることになっていて、連合司令部の司令官はアメリカの陸軍大将。しかし、副司令官は韓国の将軍、それから陸・海軍司令官も韓国人。その他、韓国の将校がいっぱいいるわけだから、アメリカが韓国の了解を得ずに戦争を始めるのは不可能です。韓国が嫌だといえば、できない。韓国がすすんで北朝鮮との戦争を選択する可能性は低い。南北共に壊滅的打撃を受けることになるからです」(同)

 つまりアメリカは、戦争の勃発を軍部が抑えたということだろうか。

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