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中国、大量の日本人拘束が発覚…安倍政権は静観し対応放棄、中国へ貢献活動の人物も拘束

文=田村建雄/ジャーナリスト
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中国、大量の日本人拘束が発覚…安倍政権は静観し対応放棄、中国へ貢献活動の人物も拘束の画像1「Thinkstock」より

 中国で温泉施設建設のため地質調査をしていた邦人会社員など6人が、3月に中国当局に拘束されていたことが、大きく報道されている。中国での邦人拘束は、2015年以降すでに計11人に上る。いずれも「スパイもしくは、その疑い。中国に損害を与える可能性」が理由とされている。すでに一部は裁判にかけられているが、その詳細と実態について中国はまったく非公表。それに対する日本政府の動きは鈍い。

 日中友好団体の理事長を務めるS氏も、北京で昨年7月に中国捜査当局によって身柄を拘束され、「国家の安全に危害を与えた疑い」で調べられていた。今年2月、中国政府から「逮捕した」と正式に日本政府に報告があったという。

 しかし、S氏の逮捕容疑の具体的内容は日本政府にも一切知らされていないという。S氏を知る人物はいう。

「拘束段階での嫌疑は『国家の安全に危害を与えた疑い』で漠然としている。中国は14年11月に反スパイ法を施行し、外国人の中国国内での活動への監視を強めているなかで、容疑をかけられたのではないか」

 反スパイ法関連と思われる事件としては15年5月と6月、中国国内でスパイ行為にかかわった疑いで、相次いで4人の日本人が身柄を拘束された。いずれも起訴後、昨年暮れ頃から非公開で裁判の審理が行われたといわれている。前出のS氏の知人は、こうクビをかしげる。

「Sさん以外で拘束された人たちは、中国国内で撮影禁止の軍事拠点近くで写真撮影をしたなどという具体的動きがあった。また今年3月に拘束された地質調査の人たちは、地質調査の器具などに不審を抱かれ捕らえられた可能性も高いが、活動などはしていないのは明白だ。

 一方、Sさんの場合、具体的な容疑が一切不明。Sさんは1980年代から100回以上、中国と日本を行き来している。さらに北京には6年間滞在し、中国の大学などで日本語を教えていたほど。小渕恵三元首相が発足させた日中緑化交流基金が進める中国奥地の砂漠緑化のための植林活動にも積極的に参加もしていた。日本が第二次大戦中にアジア諸国を侵略したことを認め公式に謝罪した村山談話(95年)を発表し、中国でも一目置かれる村山富市元首相とも近い仲です。さらに親中国派として知られ、中国の悪口を言う人に対して目くじらを立てて怒った人です。中国大使館にも知り合いが多かったSさんが、なぜスパイ容疑なのかまったく解せません」

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