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南清貴「すぐにできる、正しい食、間違った食」

コンビニ惣菜やレトルト食品、体内にリン過剰の危険…腎臓結石やホルモン&骨異常の恐れ

文=南清貴/フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会代表理事

 さらに事態を悪化させているのは、ほとんどの工業製品的加工食品には、リンというミネラルが多量に含まれていることです。「リン酸塩」は、品質改良剤、結着材として使われることが多いのですが、ハムやソーセージなどの肉加工品の保水性を高めるためにも大量に添加されています。ビタミンCの分解防止や、合成着色料の退色・変色防止のためにも使われます。マーガリンやマヨネーズなど乳化した食品の安定剤としても広く用いられています。コンビニのおにぎりや弁当、お菓子や炭酸飲料など、ありとあらゆる工業製品的加工食品に入っています。さらに、メタリン酸や、ピロリン酸、ポリリン酸などの食品添加物にも、リンが多く含まれています。

 そういう食品を日常的に食べ続けていると、体内でリンが過剰になります。リンは体内でカルシウムと拮抗関係を保っていますが、その理想的な割合は、リン対カルシウムが1対1から、2対1と考えられています。その対比が崩れてリンが過剰になると、さまざまな体調の変化となって表れます。腎臓機能の低下、腎臓結石をつくる、体内でカルシウム不足や鉄分不足を起こす、副甲状腺ホルモンの分泌異常、骨の形成異常などが代表的な例です。

工業製品的加工食品をやめればミネラル不足から脱却できる

 筆者が常々、提唱しているのは、工業製品的加工食品ばかりを食べて、ミネラル不足になり、対処法的にサプリメントで補うなどという愚行を繰り返すより、まともな食事に切り替えたほうが手っ取り早いし、経費も掛からないということです。しかし、なぜか取り組む人が少ないのが実情です。おそらく、それを「面倒なこと」と思い込んでいるためだと思われますが、そんなことはありません。健康的な食生活を送るための料理が、まったく面倒でないことは、やってみればすぐにわかります。

 そして、筆者の勧めで、これまでの食生活を変える方が増えてきているのは、たいへんうれしく心強いです。ファストフードやコンビニの弁当がなければ生きていけないなどと考えず、食生活の改善に取り組んでみてください。思いもよらなかった世界が開けることでしょう。

 一日も早く、多くの賢明な日本人が、自分や家族のために料理に取り組み、食生活を良い方向に転換することを願ってやみません。その第一歩が、工業製品的加工食品を食べないという具体的な行動です。

 日本はもともと優れた食習慣、食文化を築き、伝承してきた民族です。そのことにお気づきになった方は、自分が正しい食生活を実践したのち、今度はそれを伝える側に回っていただきたいと思う次第です。そういう方が増えていけば、日常的に工業製品的加工食品に頼った食生活から抜け出し、同時にミネラル不足から脱却する日本人が増えることになるでしょう。
(文=南清貴/フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会代表理事)

南清貴

南清貴

フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会
代表理事。舞台演出の勉強の一環として整体を学んだことをきっかけに、体と食の関係の重要さに気づき、栄養学を徹底的に学ぶ。1995年、渋谷区代々木上原にオーガニックレストランの草分け「キヨズキッチン」を開業。2005年より「ナチュラルエイジング」というキーワードを打ち立て、全国のレストラン、カフェ、デリカテッセンなどの業態開発、企業内社員食堂や、クリニック、ホテル、スパなどのフードメニュー開発、講演活動などに力を注ぐ。最新の栄養学を料理の中心に据え、自然食やマクロビオティックとは一線を画した新しいタイプの創作料理を考案・提供し、業界やマスコミからも注目を浴びる。親しみある人柄に、著名人やモデル、医師、経営者などのファンも多い。

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