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東京五輪、巨額経済損失が明るみに…「失われた20年」再来、大イベント会場が一斉閉鎖

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 東京五輪に向けてハコモノが一斉に改修工事に入ってしまうのは、ある意味で仕方がない面はあるだろう。しかし、閉館してしまったコマ劇場や東京厚生年金会館などを閉鎖せず、東京五輪が終わるまで使い続ければ、会場不足にはならなかったのではないか。

「東京都内に建てられたハコモノの多くは、高度経済成長期やバブル期に建てられたものです。同時期に建設されたので、どこのハコモノも同時に老朽化してしまう。当時、そうした建設時期の調整ができなかったことが、今般の直面する会場不足問題の一因でもあります。また、イベント会場やホール間で情報共有をうまくやっていれば、閉館の時期を調整するなどの対応策も打てたはずなんですが…」(同)

 ハコモノと一口にいっても、東京都が建設・所有・管理している都立の施設もあれば、国立や区立、民間のハコモノもある。運営主体がバラバラのため、情報が共有されづらいといった事情がある。情報共有の不徹底によって、東京はハコモノ不足に陥った。

東京ビッグサイト使用停止問題


 さらに事態に追い打ちをかけたのが、東京五輪開催による東京ビッグサイトの使用停止措置だ。東京ビッグサイトは東京五輪開催時にメディアプレスセンターとして使用されるため、19年から一部が使用できなくなり、20年4月からは全面的に使用ができなくなる。

 東京ビッグサイトでは各種業界団体によって展示会が毎日のように開催され、日本の産業振興やビジネスの活性化に一役買ってきた。その使用停止によって、展示会が不開催になればそれだけで莫大な経済的損失になるだろう。その損失は一時的な金額でも1兆2000億円と試算されている。東京五輪の開催によって、日本経済が不況に陥る可能性も出てきているのだ。

 経済的損失も大問題だが、それより深刻なのは展示会が開催されないことによって最新技術や情報が東京に集まらなくなることだ。そうなれば、日本の産業界は世界に遅れを取る。それを取り戻すために、日本の産業界は何十年もの歳月を浪費することになるだろう。これは、バブル崩壊時の“失われた20年”に匹敵する。

 長期間にわたる東京ビッグサイトの使用停止期間には、業界団体からも反対の声が上がっている。東京都は業界団体の声を黙殺することはできず、青海に仮設展示場を開設するという妥協案を示した。しかし、その仮設展示場はビッグサイトに比べてスペースが狭い。それだけでも代替施設になり得ないが、五輪開催中は仮設展示場も全面使用停止になるので、結局は同じだ。

 東京五輪は経済効果があるなどと喧伝されているが、その裏で日本の産業界は大きなダメージを負う。東京ビッグサイトの問題は、一大イベント「コミケ」の開催が危ういという話題に矮小化されがちだが、産業界が国際競争力を失うという事態になれば、決して小さな話では済ませられない。

 小池都知事の判断次第では、国際都市・東京が大きく崩壊する可能性もある。
(文=小川裕夫/フリーランスライター)

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