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土屋健「楽しい古生物・化石の世界」

魚?未知の生物?実在する「見た目がヤバすぎる」モンスター…正体めぐり世界で一大論争勃発

文=土屋健/オフィス ジオパレオント代表、サイエンスライター
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 現時点では、この段階である。今後、マッコイたちやクレメンツたちが新たな証拠を探し出し、さらなる反論を発表するかもしれない。未知の生物の“正体”が、どのような過程を経て突き止められていくのか。研究者たちの熱気が伝わってくる。この不可思議生物からは、当面の間、眼が離せそうもない。ぜひ、読者のみなさんにも、この愛すべき古生物の続報に、ご注目いただきたいと思う。

 さて、ターリーモンスターはイリノイ州の「州の化石」に認定されている。日本ではあまり認知度の高くない古生物ではあるが、イリノイ州では州を代表する存在として、公式に認められているのだ。日本では、長らくこうした“地元を代表する化石”について公式認定されたものがなかったが、実は16年5月に日本地質学会によって、「県の石(岩石・鉱物・化石)」が発表されている。学会のホームページ【※1】で見ることができるので、この機会にぜひ、ご自身の都道府県の化石を確認されてみてはどうだろうか。
(文=土屋健/オフィス ジオパレオント代表、サイエンスライター)

【※1】
日本地質学会

【参考資料】
Victoria E. McCoyほか,2016年,The ‘Tully monster’ is a vertebrate,nature,vol.532,p496-499

Thomas Clementsほか,2016年,The eyes of Tullimonstrum reveal a vertebrate affinity,nature,vol.532,p500-503

Lauren Sallanほか,2017年,THE ‘TULLY MONSTER’ IS NOT A VERTEBRATE: CHARACTERS, CONVERGENCE AND TAPHONOMY IN PALAEOZOIC PROBLEMATIC ANIMALS,Palaeontology,p1-9

‘Tully Monster’ Mystery Is Far From Solved, Penn-led Group Argues,

石炭紀・ペルム紀の生物』(技術評論社/群馬県立自然史博物館監修、土屋健著)

土屋健/オフィス ジオパレオント代表、サイエンスライター

土屋健/オフィス ジオパレオント代表、サイエンスライター

修士(理学) 日本古生物学会会員 日本地質学会会員 日本文藝家協会会員
日本地質学会刊行一般向け広報誌『ジオルジュ』デスク
オフィス ジオパレオント

Twitter:@paleont_kt

『石炭紀・ペルム紀の生物』 恐竜時代の前の時代に当たる石炭紀とペルム紀。 この二つの時代に一体何が起こったのか? 地球上の生命史において、石炭紀・ペルム紀はどういう意味を成していたのか? 二つの紀の化石をひもときながら、この時代を懸命に生きた古生物の姿に迫ります。 amazon_associate_logo.jpg

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