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加計の学部新設、文科省未認可のまま今治市が133億円助成…市民が住民監査請求へ

文=青木泰/環境ジャーナリスト
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 監査請求は監査委員会で審査され、訴えに理由があると認められれば自治体の方針を質し、もし理由がないと棄却されたり、訴え自体を却下された場合、住民は、裁判所に行政訴訟で訴えることもできる。

 黒川氏はこう指摘する。

今治市のような小さな自治体で、37億円もの土地の無償譲渡を行い、さらに96億円の補助金を獣医学部建設に投入する。ほとんど議論がないままに決まるには、あまりにも大きな出費だ。建設費等の192億円の半額を県(32億円)と分担するということだが、県はまだ決めていない。」
「しかも建設費の内訳は加計学園任せであり、あまりにも杜撰だ。同学園は獣医学部を運営した経験はなく、一気に学生数1200人(注1)もの日本最大級の獣医学部設置を行う。閣議決定で条件付けされたアジアトップクラスの学部運営をできるという根拠がなく、誘致による経済効果などには疑問がある。」
「以上のように、今治市の決定は国家戦略特区が認可した18年4月までの開校ありきで進められている」

 さらに黒川氏は、今治市の動きは地方自治法に違反すると指摘する。

加計学園が学部認可権限を持っている文科省に獣医学部認可申請を出したのが今年3月31日であり、現在、8月に結論を出すメドで審査中であり、まだ認可されていない。全国的にも今注目され論議となっており、審議の行方はわからない。認可が正式に決まっていない加計学園への無償譲渡や補助金支給を決定するのは、地方自治法の第2条15項に違反する」

「私が共同代表を務める『今治加計学園獣医学部問題を考える会』で住民に電話アンケートを行ったところ、住民の62.6%は100億円を超えるような助成をしてまで大学を誘致することには反対という結果だった」

縁故主義の下での巨額の公金が支出

 朝日新聞がスクープした文科省内の「総理の意向」文書を、菅義偉官房長官は「怪文書」扱いを行いし、文科省も「確認できない」と発表するなかで、5月25日には前川喜平前文科事務次官が記者会見で文書の存在を証言した。その後も新聞や週刊誌などの報道で文科省現職員から存在を確認する発言が相次ぎ、6月9日、文科省は再調査することを発表した。

前川喜平氏(写真:日刊スポーツ/アフロ)

 

 同文書には、18年4月開校に向けて「最短のスケジュールの作成」「獣医学部新設を1項に限定するのは政治的判断」「四国には獣医学部がないので、その点の説明がつく」「文科省だけでこの案件を処理することは、難しいことはよくわかる。(略)農水省などの協力が必要」など、内閣府からの働きかけがあったことが記載されている。そして、これまで加計学園が15回も申請を行い、断られてきた獣医学部新設が、今年1月20日には、経済特区諮問会議で認可された。

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