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田中将大、大乱調の原因は精神面か…決め球が狙い打ちされる理由、上原浩治と何が違う?

文=石丸かずみ/ノンフィクションライター
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 田中投手の持ち味といえば、キレのいいスプリットを低めにコントロールすること。これまでは、ボール球のスプリットにメジャーの打者が空振りするシーンが目立った。

「先に述べた5月のアスレチックス戦では、負け投手になったものの7回1/3を投げて13奪三振でした。このときのピッチングは、ほかの負け試合とどう違うのか。実は、違うのはピッチングの内容ではなく相手のバッターです。

 この試合も、相変わらず変化球が主体でアウトコースに球を集めていました。インコースには、ほとんど投げていません。それでも、アスレチックスのバッターは変化球を次々と空振りしてくれたので、三振が取れた。田中投手の投球が特別によかったわけではなく、アスレチックス打線が弱かったのです」(同)

遅い直球でも抑える上原浩治とは何が違う?

 田中投手は“火の出るような豪速球”の持ち主ではない。そのため、変化球で打者のタイミングをずらしながら、アウトローで空振りや見逃しを誘うというのも真骨頂のひとつのはずだが……。

「メジャーのバッターは背筋が強く、リーチがあるため、かなり外の球でも振ってきます。また、アウトコースは体から遠いためにボールを長く見ていられます。逆に、インコースは長い腕をたたまなければならないので打ちにくいわけです。

 今シーズン、田中投手は変化球について『ちょっと抜ける感じ』と言っていますが、抜けて甘いコースに入ってきたボールをいいバッターは確実にとらえます。しかも、インコースは攻めてこないから外に狙いを絞りやすい。つまり、外角狙いで甘い変化球に対応できるような強打者は、田中投手の投げるボールはすべて狙えるわけで、特に今シーズンは浮いたスプリットが狙われています。

 勝った試合も、投げているボール自体は基本的に変わりません。ただ、勝つことで何かが変わればいいのですが、そういう流れも生まれていないのが苦しいところでしょう」(同)

 内角、あるいはど真ん中に思い切って直球を投げるような組み立てができれば、変化球が多少抜けても、打者に与える印象や影響は違うという。

「たとえば、シカゴ・カブスの上原浩治投手。ストレートは130km台後半で、お世辞にも速いとは言えません。しかし、それでもメジャーの強打者相手にど真ん中に投げたりします。ある意味、開き直ったピッチングです。バッターからすると、そういうストレートがあるからこそ変化球が生きるのです。

 アウトローだって、近めに来るストレートがあるからこそ、より遠くに感じる。ところが、今の田中投手はインコースに投げない。そのため、変化球もアウトコースもバッターにとっては脅威でないわけです。しかも、変化球は甘く、ストレートも威力を感じない。これでは、メジャーの強打者には狙い打ちされて当然です」(同)

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