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有馬賢治「日本を読み解くマーケティング・パースペクティブ」

再起が絶望的ともいわれたマックは、なぜ奇跡的な復活を遂げた?カギは掃除道具?

解説=有馬賢治/立教大学経営学部教授、構成=A4studio
再起が絶望的ともいわれたマックは、なぜ奇跡的な復活を遂げた?カギは掃除道具?の画像1マクドナルドの店舗(撮影=編集部)

 2016年12月期決算で、最終利益が3年ぶりの黒字になった日本マクドナルドホールディングス。一時はそのブランドイメージを失墜させていた同社だが、ここにきて業績は盛り返している印象だ。

 今年1月22日付当サイト記事「マック、なぜ一度離れた客が再び店舗に戻ってきた?意外な外的要因による悪いイメージ払拭戦略」でも、マック復調の要因について分析したが、今回は経営管理の視点から、立教大学経営学部教授の有馬賢治氏に解説してもらった。

いきなり“プラス”ではなく、まずは“ゼロ”を目指す

「マクドナルドの業績回復をみていると、経営管理における『PDCAサイクル』の大切さを改めて感じます。『PDCAサイクル』とは、経営用語で『Plan』(計画)、『Do』(実行)、『Check』(評価)、『Act』(改善)の一連の活動を示す言葉です。マックのビジネスリカバリーの背景には、このサイクルを含めた地道な改善姿勢があったと考えられます」

 2014年に起こった期限切れ鶏肉使用問題など不祥事が相次ぎ、消費者からの信用がマイナスへと大きく傾いていたマックは、どのようなビジネスリカバリープランを立てたのだろうか。

「社内向けに財務体制の改善を積極的に行ったこともありますが、特筆したいのは社外向けの施策でしょう。マックは第三者機関である『食品安全専門会議』を設置したり、12万人にも及ぶ店舗スタッフに再度の品質管理トレーニングを行ったりしています。他にもウェブサイト上で主要原料の原産国・最終加工国の情報開示をわかりやすく変更したり、『食の安全サミット』を開催したりするなど顧客への信頼回復と支持獲得のために奔走しました。さらに『QSC』(『Quality』『Service』『Cleanliness』)による顧客への最高の店舗体験を提供するために、オリジナル清掃アイテムまで開発した点には改善の姿勢がよく表れていたと思います」(同氏)

 ブランドイメージがマイナスへと転じた場合、企業はいきなりプラスにすることを考えるのではなく、まずは“ゼロ”まで戻さなくてはいけない。マックはそのために一見地味とも思える施策を地道に実施してきたと有馬氏は指摘する。

 そのかいあってか、マックにあった“食の不安”が徐々に解消していった。となると、次にマックが目指すのはイメージを“ゼロ”から“プラス”へと変えることだ。

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