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オートバックス売上激減の謎、国内の車保有台数増なのに…イエローハットに客流出か

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 両社の売上高を合計すると、近年は概ね三千数百億円で推移している。このことから、オートバックスセブンの落ち込み分をイエローハットが取り込んでいると考えることができる。

 カー用品市場は、オートバックスセブンとイエローハットの2強が幅を利かせている。それ以外は中小店が乱立している状態だ。小売業のなかでは比較的高い専門性が必要とされる業界のため、新規参入や中小店の規模拡大が難しいという特徴がある。また専門的であるがゆえに、一般消費者は知名度が高くて安心できる大手を選ぶ傾向が強いと考えられている。そのため、2強の地位は当面揺らがないだろう。

 市場規模はある程度一定で、大手と中小の棲み分けができているため、オートバックスセブンとイエローハットの間で激しい顧客の奪い合いが起きていると考えられる。「カー用品が必要になったからオートバックスかイエローハットに行こう」というのが一般的な(特に車に詳しくない)消費者の感覚ではないだろうか。そういった消費者を2社が取り合っているのだ。他の業界と比べた場合、大手同士の競争がより激しくなると考えられる。

 オートバックスセブンは業界1位ではあるが、規模の拡大に伴い出店の余地は狭まっているといえる。17年3月末時点のオートバックス業態の国内店舗数は601店で、10年前の07年3月末時点の523店からは78店しか増えていない。

 一方、イエローハットの国内店舗数は07年3月末時点では494店だったが、17年3月末には675店にまで増えている。181店も増加しているのだ。イエローハットは店舗数を急激に増やしている。

 オートバックスセブンは、店舗数の拡大以上に個店の魅力を高めていくことが求められている。不採算店舗は閉鎖、老朽化した店舗は改装といった具合に、時代に適合した魅力ある店舗にしていく必要がある。

 例えば、昨年12月にリニューアルオープンした「オートバックス秋田由利本荘店」や「オートバックス岩国店」のように、品揃え重視から選びやすさ重視の店舗へと転換していくことも必要だろう。これらの店舗では陳列什器を低くし、店内の照明は蛍光灯からLEDに変えた。陳列は商品カテゴリー別から利用シーン別に変更している。今の消費者が求める店舗形態といえるだろう。小型店の仕様のため、隙間地域への新規出店も可能だ。

 また、ゴルフ用品販売大手のゴルフパートナーと組み、カー用品とゴルフ用品をワンストップで購入できる「ゴルフパートナー スーパーオートバックス京都西院店」を今年2月にオープンしたことも新しい試みだ。それぞれ「自動車」と密接に関係がある業界のため、相乗効果を期待してコラボ出店が決まったのだ。ゴルファーは車を利用して移動することが多いため、ゴルフ用品とカー用品を一緒に買ってもらうことが期待できるというわけだ。

 オートバックスセブンが業績低迷に歯止めをかけるには、こうした新しい試みが必要不可欠だろう。イエローハットとの売上高の差は縮まっているとはいえ、業界のリーディングカンパニーであることには変わりはない。今の消費者がワクワクできる魅力ある店舗にするための投資を、さらに積極的に行っていく必要があるだろう。
(文=佐藤昌司/店舗経営コンサルタント)

●佐藤昌司 店舗経営コンサルタント。立教大学社会学部卒。12年間大手アパレル会社に従事。現在は株式会社クリエイションコンサルティング代表取締役社長。企業研修講師。セミナー講師。店舗型ビジネスの専門家。集客・売上拡大・人材育成のコンサルティング業務を提供。

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