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なぜ誕生日の自殺率は普段の1.5倍?事故死も急増との研究結果が発表

構成=長井雄一朗/ライター
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誕生日に死亡しやすい人の行動パターンとは?

――誕生日は、自殺だけでなく事故も多いようですが。

松林 分析対象としたのは、自殺、交通事故死、溺死、窒息死、転落死です。調査データには、当該期間中にこれらの死因によって死亡したすべての人が含まれます。乗用車やバイクによる交通事故死、また溺死や転落死などの数も、誕生日には20~40%ほど上昇します。

――なぜ、誕生日に自殺してしまう人が多いのでしょうか。

松林 エビデンスが不足しているため、この点は推測しかできません。しかし、日本人も欧米人と同様に誕生日を特別な日ととらえており、誕生日を祝ってくれる人がまわりにいないような環境にいる人は、孤独を感じ、その結果として自殺念慮が高まり、最終的に自殺してしまうという可能性があります。

 もし社会となんらかの関係性を持っていれば、たとえば会社や学校に通っていたり、家族が誕生日を祝ってくれたりして、「誕生日おめでとう」の一言があれば、自殺は避けられるかもしれません。

 これらはあくまで推測なので、医学的な観点から誕生日と自殺の因果関係を分析することが重要だと思います。

――データ分析の結果、男女比率や年齢層で突出して自殺率が高い部分というのはあるのでしょうか。

松林 特にありませんでした。男女比率や年齢層も一定でしたが、強いて言えば、既婚者と独身者の比率では独身者が若干多かったです。ただし、「自殺率が50%高い」というのは統計学的に誤差でも偶然でもありません。

――事故も20~40%多いというのも驚きです。そのなかに、実は自殺だったというケースもあるのでしょうか。

松林 我々も、溺死、窒息死、転落死として処理された事故のなかに、実は自殺だったケースがあるのではないかと疑っていますが、それを証明する手段はありません。遺書があるなど明らかに自殺であるケース以外は、自殺の疑いがあっても事故として処理されることが多いかもしれません。

 事故が多いことについては、誕生日には特別なイベントがあることが関係しているのではないでしょうか。たとえば、家族や友人と食事をしてお酒を飲むなど普段と違う行動パターンになることが多く、帰宅途中に事故を起こしてしまうケースがあります。また溺死では、誕生日にハイになって海や川に飛び込んで泳ぐことで溺れてしまうケースがあります。

 誕生日がうれしいからこそ、いつもと違う行動を起こす。それが事故に結びつくと予想しています。

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