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松崎のり子「誰が貯めに金は成る」

ガス代が3000円安くなるプランも!電気・ガスセット割引はかえって損?夏の光熱費節約術!

文=松崎のり子/消費経済ジャーナリスト
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 また、ほかにもお家事情がある、と巻口氏。ひとつは原子力発電所にまつわる問題だ。もともと東電は、発電所の燃料として天然ガスを大量に輸入しているが、今はそれを火力発電にあてているので、ガスを売るにしてもたいした余剰がない。

 さらには、天然ガスを家庭用ガスに調整するための専用施設をまだ持っておらず、東ガスに委託している事情もあるという。東電が積極的に手を打ってこない以上、東ガスの当面の相手はニチガスということになる。7月以降、東ガスが安いプランを手土産にニチガスグループの供給エリアにいよいよ乗り出す、という報道があったが、ようやく動き出したというところか。

 とはいえ、東電自体がガスに本腰を入れてこないうちは東ガスも「様子見でいいや」という状況では、と巻口氏は分析する。関東の都市ガス競争が活発化するのは、もう少し先になりそうだ。

電気とガスのセット割は本当にお得?落とし穴も

 業界事情はさておき、光熱費を安くするには小売業者を切り替えたほうがいいのか否か。電気にしろガスにしろ、各家庭の使い方はそれぞれ異なる。

「エネチェンジ」のような比較サイトで、我が家の使用量やライフスタイル(家族の人数や在宅時間、生活は朝型か夜型かなど)を加味してシミュレーションするのが一番だが、巻口氏は意外にも「電気とガスのセット割はおすすめしない」と言う。

 セット割には、落とし穴もあるというのだ。たとえば、東電の電気+ガスセットの「とくとくガスプラン」は、ガス料金が東ガスの一般料金より約3%トクという触れ込みだが、対象の電気料金プランとセットで契約しなくてはならない。

 しかし、その電気プランで得するのは、現状で月8000円以上電気代を払っている家庭が目安になる。ガス代は安くなっても、あまり電気を使っていない家庭にとってはおトクなプランとは限らないのだ。

 このように、セット化することで安さの中身が見えにくくなる例はたくさんある。消費者にとってもっともいいのは、「電気は電気で、ガスはガスで一番安いところを探し、個々に契約すること」(巻口氏)ということになる。

 その2つを合計した上で、電気・ガスセットプランの料金と比較すればいい。関東で電気を新電力と契約している家庭なら、ガスはニチガス「プレミアム5+プラン」に変えるだけで、東ガスより5%(使用量の条件あり)安くできる。「セットだから、さらに安いはず」と信じ込んではいけない。

松崎のり子/消費経済ジャーナリスト

松崎のり子/消費経済ジャーナリスト

消費経済ジャーナリスト。生活情報誌等の雑誌編集者として20年以上、マネー記事を担当。「貯め上手な人」「貯められない人」の家計とライフスタイルを取材・分析した経験から、貯蓄成功のポイントは貯め方よりお金の使い方にあるとの視点で、貯蓄・節約アドバイスを行う。また、節約愛好家「激★やす子」のペンネームでも活躍中。著書に『お金の常識が変わる 貯まる技術』(総合法令出版)。
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