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若いうちのEDは動脈硬化の危険?不妊の原因の5割は男性、早めの受診が重要

取材・文=名鹿祥史
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男性の不妊の原因はほとんどが精子の問題

 ED同様、妊活の相談のために同クリニックの<男性妊活外来>を利用するケースも増えてきた。日本での不妊の定義は「健康な夫婦が避妊をしないで夫婦生活を送っているにもかかわらず、1年間妊娠しないこと」とされている。

「不妊症という診断がついたカップルについては、不妊の原因の半分は男性です。実際に調べても、その比率はほぼ半々。ということは、男性もそういう問題に真摯に取り組んでいかないといけない。そうは言っても、産婦人科には行きにくい。そこで男性のことなら男性用にということで、当院の男性妊活外来が窓口となるわけです」(同)
 
 男性が不妊の原因となる場合は、射精がうまくいかない(性機能障害)、射精される精液の中の精子の数や運動率が悪くなっている(精液性状低下)、という2つの場合に分けられる。

 さらに、男性不妊には先天性と後天性のものがある。先天性のものとしては、遺伝的要因や発育段階で受けた影響などがあり、後天性のものには、ストレス、アルコール、喫煙、肥満、病気や薬の影響、精巣の損傷もしくは機能障害、精子の産出あるいは射精に関するトラブルなど、さまざまな要因が考えられる。

 相談に来た男性に対し、クリニックでは射精に至るまでのプロセスと射精してからの精子の状態がどうかを調べる。家で射精した精子を持ち込んでも検査まで時間がかかってしまうと参考にはならない場合があるという。院内で射精も行ってもらい、出たばかりの精子を調べる。
 
「不妊の原因は、まず精子の数ですね。調べてみたら精子の数が圧倒的に少ない場合が少なくない。1回の射精で通常は億単位の精子が出ますが、それが極端に少ないかゼロである場合には、妊娠が極めて難しくなります。しかも、数が多ければそれでいいというわけでもなく、活発であることも重要です」(同)

 さらに「不妊を改善するために必要なのは、何よりも体質の改善です。ビタミンEやアルギニン、亜鉛、セレンなどが効果がありますから、患者さんを診断した上で、その症状に合ったサプリを提供します。また漢方薬やクリニック独自で開発した妊活アプリも供給しています」(同)

ブライダルチェックで男性妊活外来を利用

「結婚・出産年齢が上昇している現代の日本では、以前に比べて社会的に妊娠しにくい状況と考えられます。今や男の10人に1人が精子に問題を抱える時代。不妊の原因の半分は男性側にあるにもかかわらず、それを知っている人は少ないのが現状です。男性妊活外来には夫婦で来ることをお勧めします」(同)

 夫婦で相談に来るメリットとしては「生活習慣など非常に細かい話を聞けますから、対策も立てやすくなります。妊活中の男性はもちろん、今後結婚を考えている独身男性、第1子が生まれてその後なかなか子どもができないと気になっている方など、すべての方が対象です。最近はブライダルチェックというものもあります。結婚する前に健康かどうかを知っておきたいということで、不妊のチェックに来る方が増えています」(同)

 メンズクリニックでの診療に抵抗があるという人もいるかもしれないが、「医学は常に進歩しているので、悪いほうにはいかない。薄毛もそう、更年期もそう、EDもそう。だから何かあれば医師に相談することは決して間違いではないと思います」と、気軽に受診することを勧める。

「歳をとることに抗うことがいいことかどうかはわかりません。だからアンチエイジングという言葉は嫌いです。患者さんには『いい歳のとり方をしましょう』と話すようにしています。そのためにどうすればいいかを一緒に考えましょうと」(同)

 小林院長の基本姿勢は、きわめて自然体だ。
(取材・文=名鹿祥史)

小林一広(こばたし・かずひろ) メンズヘルスクリニック東京院長
北里大学医学部卒業。同大学病院にてメンタルヘルスを中心とする医療に従事する。
その後、医療社団法人ウェルエイジングを設立。頭髪治療専門の城西クリニックを東京及び福岡に開院すると共に国内初の総合アンチエイジングセンター『AACクリニック銀座』を2006年3月に開院。2014年6月にメンズヘルスクリニック東京開設、現在に至る。
精神科医としての経験を生かし、積極的に心身両面からの治療に取組んでいる。

精神保健指定医、医療法人社団ウェルエイジング 理事長
聖マリアンナ医科大学幹細胞再生医学寄附講座講師

※ 初出/健康・医療情報でQOLを高める「ヘルスプレス」

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