【賃貸併用住宅のデメリット】

(1)入居者が入らなければ、住宅ローンの返済はその分重い

 当然ながら、入居者が入らなければ、賃貸部分のローン返済も自分の給与など賃料以外の収入で負担しなければならなくなります。特に、不動産価格が高い今、予算が限られた中で取得しようとすれば、市街地から少し離れた立地でしか購入できない可能性が高くなります。その場合、賃貸需要が本当にあるのかがポイントになります。間違った立地に買ってしまうと、このデメリットが現実のものになります。

(2)滞納など賃貸住宅の問題も発生する

 併用とはいえ賃貸住宅なので、入居者の家賃滞納や、入居者同士のトラブルなど、一般の賃貸住宅で発生する問題は起こり得ます。そのとき、身近な場所で起こるので、賃貸住宅を自宅と離れた場所に所有している場合より、毎日そのことが嫌でも目に耳に入りますから精神的な負担は重くなります。

(3)特異な入居者が入居しても自宅は隣

 賃貸住宅と自宅を離れた場所に所有しているケースでは発生しない問題ですが、賃貸併用住宅の場合は、賃貸入居者と自分の間に近隣トラブルが発生する可能性があります。特異な入居者が入居してしまい、近隣トラブルに発展した際、普通の賃貸借契約では相手を退去させることは難しく、一方、自分も所有する自宅ですから簡単に引っ越すこともできません。

(4)賃貸併用住宅の売却は難しい?

 賃貸併用住宅に人気が出てきたといっても、一般的な住宅や賃貸住宅単独の物件と比べればまだまだ建築を希望する方の数は少ないのが現状です。従って将来、賃貸併用住宅を売却したいと思っても、なかなか売却できない可能性があります。賃貸併用住宅は、普通の住宅を希望する方にとっては賃貸部分が余計ですし、単純にアパートなどの賃貸住宅を欲しい方にとっては、住宅部分の賃料が一般的な賃貸住宅と比べて利回りを下げてしまう原因となり購入を躊躇させます。結果的に、住宅なら一般的な住宅より、賃貸住宅なら一般的な賃貸住宅より、価格を下げなければ売れなくなってしまう可能性が高いということになります。

 以上のように、十分魅力ある賃貸併用住宅ですが、デメリットもしっかり理解してから購入しないと、自分の人生に多大な影響を与えかねません。入居者がきちんと入るのか、最悪でも住宅ローンの返済はできるのか、自分も含めた入居者間の問題はどこまで覚悟できるか、将来の売却をどう考えているかなどデメリットに対して想定しておく必要があります。

 不動産を購入するということは、将来の長きにわたって自分に影響を与えることなので、短絡的な発想での購入は気を付けたほうがいいでしょう。
(文=秋津智幸/不動産コンサルタント)

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