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加計問題、文科省の不可解な矛盾…大量の大学新設で業界不況、加計新設には執拗な抵抗

文=島野清志/評論家
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加計のひとり勝ちか

 理想よりも利害ばかりがちらつく、今回の騒動だが、結果として、ひとり勝ちになりそうなのは当事者である加計学園かもしれない。

 いったん認可された学部の新設が覆ることは、まずあり得ない。獣医学部は予定通りに開学するだろう。騒動の渦中になったイメージの低下も、むしろ連日マスコミに取り上げられて知名度が大幅に向上した効果によって、「獣医学部志願者が、広域から集まることもあり得る」(進学塾関係者)との見方もある。一発勝負を強いられる受験生や、その保護者とは概ね現実的な選択をするものだ。

 もとより加計学園の中枢である岡山理科大学は、中国・四国圏の私立大学では定員充足率の高い大学であり、加計学園自体の財務内容も良好な部類に入る。希少学部という新たな看板を得て、さらに存在感を高める可能性はあるだろう。

 ただ、全体が苦境にある下では、どこかがグレードを上げれば、必ず割を食うところが出て来るものだ。十数年前、大学破綻の口火を切ったのは、中国地方の私大であった。遠からず、再度狼煙は上がるのかもしれない。
(文=島野清志/評論家)

●中国四国地域の有力私大の総定員充足率
広島修道大学116.9%、松山大学105.8%、広島工業大学104.6%、岡山理科大学103.1%、安田女子大学97.9%、徳島文理大学73.5%、福山大学72.4%(調査対象はエリア内で総学生数3000人以上の大学、データは大学ポートレートより引用)

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