――半年の間に1000棟も伸ばしているんですね。過去、急激に普及した時期などはありますか?
広報 34年の間に、何度かブームがありました。1994年に配達方法として無人ボックスへの預け入れ可能とする通達が全国の郵便局に出た際、99年に書留の宅配ロッカーでの受け取りを旧郵政省に認めていただいたときですね。
それまで、書留は受取人のハンコがないとダメで、宅配ロッカーでの受け取りは認められていなかったのです。ただ、集合住宅の入居者の方からは「書留も宅配ロッカーで受け取りたい」という声を多くいただいており、弊社から旧郵政省に掛け合って書留の宅配ロッカー受け取りを認めていただきました。
弊社のロッカーは、オンライン、オフライン問わず、すべて荷物の出し入れのログの管理ができています。いつ宅配ロッカーに書留が入れられ、いつ入居者の方が受け取ったのかが、すべてわかりますので、そうしたシステムが完備されていたことも認めていただいた要因ですね。
そして、今も大きく普及を伸ばしています。EC(電子商取引)の爆発的普及による配送会社さんの負担増加の社会問題化によるものですね。
――配送会社の窮状は、テレビなど多くのマスコミで取り上げられていますね。
広報 国も問題視しています。国土交通省から宅配ロッカーの公共の場への設置に補助金が出るという通達がなされ、宅配ロッカーの知名度と注目度が一気に上がりました。また、問い合わせも急増しています。もともと、集合住宅にお住まいの方には知名度があったのですが、一連の報道で戸建て住宅にお住まいの方の認知が一気に向上しました。
――戸建て向けの宅配ロッカーもあるんですね。
広報 はい。創業時から、戸建て向けの宅配ロッカーもつくっています。集合住宅に比べて普及率はまだ低いのが現状ですが、これを機に増加していくと考えられます。

ほかにも、宅配ロッカーがない状態で建てられた既存の集合住宅のオーナーさんからの問い合わせや、いわゆる街置きの宅配ロッカーへの反響も増えています。
ニーズ急増の「街置き」宅配ロッカー
――街置きの宅配ロッカーとは、どのようなものでしょうか?
広報 個人宅でなく、駅など公共の場に設置される宅配ロッカーです。街置きにおいて、弊社が日本郵便さんをはじめとする他社さんと取り組ませていただいているのが、「はこぽす」という事業です。郵便局や駅、コンビニエンスストアなどに宅配ロッカーが設置されています。
楽天などのECサイトでは、最初からはこぽすで受け取ることも、再配達の受け取りをはこぽすに指定することもできます(※ゆうパック限定)。