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池内ひろ美「男と女の問題を斬る」

【松居一代騒動】離婚調停&裁判の想像絶する過酷さ…親が反対の結婚はうまくいかない?

文=池内ひろ美/家族問題評論家、八洲学園大学教授

「夫が私に暴力をふるった」と妻が主張するときも、夫が日常的に殴る蹴るといった暴力をふるっている場合もあれば、逆に、日常的に暴力をふるっていたのは妻の側で、夫が「もうやめてくれ」と伸ばした腕が運悪く妻の顔面に当たって、転倒させてしまったという暴力もある。

 誰のどんな離婚事件の場合でも、夫と妻の主張は対立するものであり、それは民事事件であって刑事事件ではないため警察が捜査に入ることはなく、真相は闇のなかとなりかねないのが離婚というものです。松居氏と船越氏が離婚に至るかどうかは、どちらかが虚偽の主張をしていたとしても左右されません。

親に反対された結婚

 ここで、2人の結婚に至るプロセスを思い出してみましょう。
 
 船越氏が松居氏と結婚すると言い出したとき、船越家は猛反対し、結婚した後も船越家が松居氏と会うことは一度もなかったと報道されています。

 結婚は、今も昔も洋の東西を問わず、けっして男女2人だけのものではありません。背景には家の問題や、それぞれの子どもが幸せになってほしいと願う親の気持ちがあります。

 14世紀イタリアのカップルを描いたシェイクスピア作品『ロミオとジュリエット』は、親に反対されたにもかかわらず結婚を望んだ悲劇として有名です。恋多きロミオはジュリエットと恋に落ちるが両家は犬猿の仲。それでも親に隠れて結婚した2人は、ジュリエットが仮死の毒を飲んだことを知らずロミオは毒薬で自殺し、仮死状態から目覚めたジュリエットはロミオの短剣で後追い自殺するという物語。これは悲劇というより、同じシェイクスピアの『真夏の夜の夢』と似たロマンティック・コメディではないかとする向きもあります。

 夫婦間の問題を当事者が必死の形相で語れば語るほど、ヨーロッパでは喜劇的になり、日本では恥をばらまくことにもなりかねません。これは文化の違いでもありますが、日本では「夫がこうだ」「妻がああだ」と2人しか知らない内容を公に語ることは、あまりよしとされていません。

 家庭裁判所で開かれる調停は、公開されず調停委員と当事者だけで話し合いが進められます。しかし裁判では傍聴席があり、まったく関係ない人が聞いているなかで、さまざまなことを話すことになります。結婚生活のなかで起こった出来事をはじめ、夫婦の経済状態や、夫が妻にこんなことを言った、あんなことをした、殴った、蹴った、罵倒した、変態的な趣味がある、2人が最後に性的な行為をしたのはいつだったのか、そのとき気持ち良かったのか悪かったのか――。それらを公に語るのは、日本では恥ずかしいこととされています。
 
 したがって離婚事件の場合は、いきなり公開裁判を行うのではなく、まず密室での調停を行いましょうというのが日本のルールです。離婚裁判になると双方の親が証人として参加し、相手方を罵ることさえあります。

 いずれにしても、これまで家族や夫婦の問題について4万件近くのコンサルティングを行ってきた経験からいっても、親が極端に反対した結婚は、うまく続くのが難しいものです。
(文=池内ひろ美/家族問題評論家、八洲学園大学教授)

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