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行政が何度も治安改善に失敗した「大阪あいりん地区」、外国人の観光地化で治安改善

文=編集部
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外国人旅行者に重宝される1000円の簡易宿泊所

 21世紀に入っても、あいりん地区大阪人でさえ、あまり足を向けない街だったのだ。ところが近年、行政も地域住民もまったく想像すらしていなかった方法で、街の活性化が進みつつある。

 外国人旅行者の急増が、その背景にある。新今宮駅のホームからも見えるが、あいりん地区には簡易宿泊所が多い。かつては日雇い労働者が住んでいたこともあり、現在でも「1泊1000円」「1泊3000円」という格安宿泊費も珍しくない。

 それを知った外国人バックパッカーが、あいりん地区の簡易宿泊所を利用するようになったのだ。宿泊所の平均像は、シャワーやトイレは共同だが、エアコンやWi-Fiは完備されている。宿泊費も含め、彼らの要求レベルを充分に満たしているのだ。

 昨今のあいりん地区では、東南アジアからと思われる旅行者を中心に、外国人が大きなキャリーバッグを引きずりながら歩く光景が当たり前になっている。彼らは総じて若い世代であり、カラフルな出で立ちで、くたびれた労働者の街を闊歩する。その姿は、日本人である私たちに強い印象を与える。

 宿泊施設が賑わい、観光客が増えると、近隣の飲食店や雑貨店にも外国人観光客が流入する。街の賑わいこそ、治安改善の特効薬だ。おまけに日雇い労働者の高齢化も進み、かつてほどの存在感はない。すると、近隣の大阪市民も街を見直すようになってくる。好循環が始まったのだ。

 高級旅館などを運営する星野リゾートの進出計画が発表されたことも、街にとっては追い風になっている。その内容は、新今宮駅の北側に大型観光ホテルを建設するというもの。もともと、大阪市の市有地でおよそ1.4ヘクタールの空き地であった。現在の計画では、温泉施設やカフェなどを有した20階建ての観光ホテルを2022年春にオープン予定だという。

 これまで行政がなし得なかった「改善」をもたらしている外国人旅行者。あいりん地区、そして新世界界隈は今、大きく変わろうとしている。こんな光景を外国人だけに楽しませるというのはもったいない。古い光景も残る今のうちに、我々日本人も足を運んだほうがよさそうだ。
(文=編集部)

BusinessJournal編集部

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